失敗
私は言う
聞いて、また失敗したの。
あなたは笑う。
あんなに大きな種なのにね。
不思議だね、
子供の時は屋根より高く茂っていたよ。
私が何年挑戦しても花を見ないというと
誕生日にはたくさんの花束をくれるようになった。
夏生まれだから、何も食べたくないの。
じゃあ、
これを見て元気だしなよとくれるひまわり。
すぐに首を垂れるから
もったいないというのに。
八月に花なんて……
ここは涼しいね
貴船は奥座敷。
一年前から予約してくれる。
忘れることはできないからと笑う。
心が離れたらどうするの?
その時は一人で来るさとまた笑う。
馬鹿ね、私はあなたを忘れることなど
死んでもないのに。
川の流れを緑の楓とともに見る。
いつまでもこうしていたい。
ここにひまわりはない。
森の中の二人だけの世界。
楓だけが見ている……
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