ソード・エスカトロジー【Chapter2　宿命の太陽と自由の月】

Penドラゴン(案乃雲)

　保健室登校をする男子生徒『照木迅』は、一つ上の先輩『伊吹ひかる』に恋い焦がれ、その想いを伝えられずにいた。

　ある日の夜。神社へ行くと、ひかるが何かに飲み込まれているのを目撃した迅は助けようとするが、共に飲み込まれてしまう。

　気が付くと迅は次元の大樹『セフィロト』により、異世界『アバロン』に飛ばされていた。しかし、そこにひかるはおらず困惑する中、世界に蔓延る魔族に対抗する勇者になるべく、迅たち異世界への来訪者(トリックスター)に託される剣『霊晶剣』を選ぶことになるが、迅に適応する剣は見つからず、学院の教官『オルフェ』の伝で集落に身を寄せる。

　しかし、とあるキッカケで謎の神殿にある剣に惹かれるように迅は豹変し、魔王の形見『ストームブリンガー』を手にすることになる。

　混迷する異世界や剣の運命にに翻弄されながらも、迅は仲間たちに出会っていく。アマチュアテニス選手の『イリーナ』。学院から退学処分を受けた不良『多田鉄幹』。セフィロトの転移事故にあった少女『クロエ』。彼らもまた、稀有な運命に導かれ、霊晶剣を手にする剣士となった。

　元の世界に帰らんとする迅たちは、学院にいたひかるを迎え入れ、セフィロトの開放を目的とする魔王『エヴァン』と共に戦うことになる。

　学院最強の勇者『アーサー』を名乗る少年『米原切雄』や彼を取り巻く生徒たち。そして、100年前に魔王を倒した英雄にして、迅の実の母『聖女シャウトゥ』と自分たちの命運を賭けた決戦が幕を開ける。

　これは『宿命』か『自由』、いずれかを選ぶ戦いの物語である。