寿命の蝋燭を消された男は神の手によって異世界へ
くろとら
第1話 転生
「本当に申し訳ありませんでした!!!」
「はあ」
俺の目の前で深々と金髪の美少女が土下座をしていた。背後に広がる景色は無く、今いる場所は真っ白い空間だった。そんな空間の中で俺は金髪の美少女と向かいあっていた。
取り敢えず、金髪の美少女に頭を上げるように言いしばらく話してみると、金髪の美少女は神様らしい。神様と言っても本人が言ってるだけで証拠は無いがこの状況からして恐らく神様と言うのは本当だろう。
神様が言うには俺は死んでしまったらしい。どうやら、間違って神様が俺を死なせてしまったらしい。
「神の仕事の1つ寿命の蝋燭を消すという仕事があるんですが、今日死ぬはずだった大山という御老人の蝋燭を消すはずだったんですが、間違って隣の貴方の蝋燭を消してしまって・・・・・・」
「寿命の蝋燭ね・・・・・・。ってことは俺は貴方のミスで死んだわけですか。で、俺は天国に行くんですか?それとも地獄?」
どうやら、俺は寿命の蝋燭を消されてしまい死んでしまったらしい。ってか人の命って神様が管理してるのかよ・・・・・・。もし、変な神様が寿命の蝋燭を悪用したら大惨事が起きそうだな。
俺は神様にこれからどうなるのか聞いてみた。一応生前はいい事をしていたから地獄には落ちないと思うが少し心配だ。
「寿命の蝋燭件は本当に申し訳ありません。貴方は本来80年以上生きるはずでした。それなのに私は貴方の80年分の人生を奪ってしまいました」
俺、本来は80年も生きられたのかよ。今俺の歳は17歳だから97歳まで生きることができたのか。なんか、97歳って中途半端だな。だったらキリがいい100歳までいいだろう。
「まぁ、人にはミスもあるんだから、神にもミスがあって当然だろ?」
「確かにそうですが、私は貴方の人生を奪ったんですよ・・・・・・。」
神様は悲しい目をしながら俺に言ってきた。だが、俺は神様を責める気は無い。何故なら誰だってミスはあるからだ。実際俺だってこの17年間で数え切れない程ミスをしてしまった。俺はミスをしてしまった時に謝罪をしたことがほとんど無かった。
しかし、神様は違った。いくら大きいミスだと言っても知らんぷりすれば良かったことをしっかりと俺に言い謝罪をしたことはとても立派な事だと俺は思う。
「まぁ、死んだのはショックだったけど。人はいつかは死ぬし、もう割り切ることにするよ」
「そうですか・・・・・・、凄いですね貴方は」
「別に凄くは無いと思うけどね。で、俺はマジでどうなるの?」
確かに死んだのは普通にショックだったけど、人は生まれればいつか死ぬ運命でもあるしそう思えば割り切れることができる。
「一応貴方が死んだのは私に責任があります。なので、貴方には違う別の世界で生き返ってもらいます」
「違う世界?元の世界じゃ駄目なのか?」
「元の世界では、貴方は既に死んだ事になっています。なのでもし貴方が生き返ってしまうと混乱が起きてしまうので、別の世界で生き返られることになりました」
「あー、なるほど」
神様が言うには俺は別の世界で生き返る事になるらしい。生き返れるなら元の世界でもいいんじゃね?と思い聞いてみると無理だと言われた。
理由は元の世界では俺はもう死んだ事になっていて、もし俺が生き返ったら混乱が起きてしまうらしい。
まぁ、よくよく考えたらそうなるよね。即死って判断され奴が生き返ったら俺だって驚いて心臓が止まるよ。
「貴方を別の世界で生き返らせる前に1つ貴方の願いを叶えます」
「いいのか?」
「はい、これも私の罪滅ぼしなので気にしないでください」
何か1つ願いと言っても俺の一番の願いは元の世界に生き返る事だったんだけど、それは無理になってるし。なら、俺が生き返る世界で使える物がいいよな。
「なぁ、俺が生き返る世界はどんな所なんだ?」
「はい。貴方が生き返る世界は貴方の世界と比べ文化は発達はしていません。発達していないと言ってもそれほどではありません。貴方たちの世界観で言えば近世時代に近いですかね」
なるほど俺が生きていた世界と比べ文化は発達していないのか。そんな所で生きていくのは不安だし命の危険もあるよな。なんか身を守れる物が欲しいな。あ。
「じゃ、銃器を作り出せる力を下さい」
「銃器ですか?」
「はい、銃器です」
俺が考えた末思いついた物は銃器だった。銃器があれば身を守ることもできるしポケットなどに収納可能だしね。
「分かりました。では、貴方には特別に錬金という力を授けます」
「錬金?どんな力なんだ?」
「錬金とは、様々な物を作れる能力です。使い方は作りたい物を思い浮かべその物の名前を言えば作れます」
俺は銃器を作り出せる力とお願いすると神様はそれを上回る能力「錬金」をくれた。神様が言うには「錬金」は作りたい物を思い浮かべその物の名前を言えば作れるらしい。何とも便利な能力なんだろう。
「なるほど、能力の説明までありがとう神様」
「いえいえ、どうってことないですよ。それより、そろそろ貴方を蘇られますね」
「分かった」
神様はそう言い俺の頭に手を置いた。すると、俺は暖かい光に包まれた。
「神様、色々ありがとうか
「いえいえ、では、音無春馬さん。第2の人生を楽しんできて下さいね」
神様はニコリと微笑んだ瞬間、俺の意識はとうのいていった。
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