第29話 虫時雨のあとに
夜の帳の訪れとともに
虫たちの宴が始まる
冬への旅支度と勢い酒
見送るのは 銀杏紅葉の絨毯
それは夏の記憶
一欠けらの悲しみと
熱い心の手紙
あなたの耳元に 虫の歌声が届いたなら
私のために 微笑んで欲しい
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