アイアム・ユア・オッパイ③

やがてその先端に、女肌とは違う種類の甘さが滲み出す。


「……ふ、んッ!? あッ!」


 急に浮き声を上げハナは俺の口から胸を脱出させてしまう。

 俺の名残惜しさを代弁するかのように、チュポンと離れたそこからはトロトロよ唾液の橋が延びていた。

 どうしたのかと見れば、透明に濡れ尖った先端に白い水滴が浮いている。明らかに俺の唾液などではない。


「も、申し訳ありません! 本格的に搾られる前からもうミルクが溢れるなんて……ああ、恥かしい……はしたない……」


 ミルクが滲み出ている自覚はあったのだろう、ここでハナは強い羞恥を見せる。人間とは少し違う恥じらいの種類に、何か貴重な物を見たかのような気分になるった。


「いま少しお待ち下さい。出口に近い分雑菌が多いかもしれないので、最初の方は捨ててから……」


 カッ、と全身が激昂で熱くなる。怒りの感情に身を任せ、俺は首を持ち上げ再びハナの乳首を咥え込んだ。

 勢いで乳肉も大きくたわみ、俺の顔面もハナのおっぱいに正面から埋もれた。


「はんむぅっ!」


「ぁ――ん!? む、むねひとさまぁ!?」


 予期していないタイミングで乳房に吸い付かれ、ハナが狼狽の声を上げる。

 俺は唾液の気化熱で少し冷えた乳首を暖め直すように、執拗に舌でこね回した。先ほどの甘さをもっと味あわせろと、わざと水音を立てて蹂躙する。


「なぁっ、なりません! 初乳にはぁ、ざ、雑菌が入っ……ァァンッ! いけません、ムネヒト様が、おなかをっ……壊してし、まいます!」


「ちゅず、ちゅる……バカを言うな。この俺が雑菌なんぞに気を遣って、お前のおっぱいを捨てろというのか? そんなものの為に捨てるミルクは一滴だってない! そんな真似は例え神様が許しても……あ、俺がそうだった! つまり神が許さんぞ! ちゅ、ちゅる、ちゅぅぅぅぅうう!」


 細菌風情が俺とハナの邪魔をするんじゃない! と、目には見えない細菌に対してまで俺は反感を覚え、むしろおっぱいを見せつけるように吸いしゃぶった。

 先ほどまでの乳肌の表面を撫でるような物ではなく、奥の何もかもを奪うような吸い方だ。

 次第に熱を持ってくるハナの乳首からは、それでもまだ滲む程度のミルクしか出てこない。乳肉のむこうにハナの顔を見ると、彼女は唇を噛みしめ肩を震わせていた。

 どういう筋肉の働きをさせているのかは知らないが、噴出さないように我慢することが出来るらしい。

 その我慢を破壊するため、俺は強く吸ったり、断続的にリズムをつけたりしてハナの乳首を嬲った。


 ――ぢゅ! ぢゅ! ぢゅ!


「あっ♡ あっ♡ あっ♡ 駄目です、お止め下さいムネヒト様……ッ! お体に障るといけません! どうか、お聞き入れ下さい……! ほんの数秒で良いのです! は、ずかしい……!」


「まだお前は自分のおっぱいが汚いと勘違いしているのか!? バカを言うな、お前もお前のおっぱいも最高だ! いいから観念しろ!」


「だめぇ♡ だめです♡ どうかハナのお願いをお聞き入れ下さい!」


 ええい、往生際の悪い! これならどうだ!?


 俺は両手をハナの右胸に沿わせ、上から下へ、つまり根元から乳首の方へしごくように動かす。中に詰まったミルクを搾り出すように、頂上まで降りていったら再び麓の方へ昇り、逆登山を繰り返す。

 搾乳直前に行うマッサージの動きを取り入れた愛撫だ。

 毎日の中で培われた習慣で、ミルクを出しても良いんだとハナとおっぱいに諭してやった。

 唇であむあむと咀嚼する動きも追加し、舌で秒間何連発と激しくノックする。

 すると、僅かだが舌に乗る甘さが増してきた。


「はぁぁっん!? や、ぁぁぁあぁあぁぁぁ――ッ♡」


 ハナはたまらず上半身を反らせるが、俺の唇がアンカーになり逃れる事はできない。巨大なおっぱいが三角錐に近い形状になるだけで、俺とハナは繋がったままだった。


 残念だったなァハナ! 今の俺は乳首の神でありながら、スッポンの化身でもあるのさ! まあ雷が鳴ったくらいじゃ、おっぱい吸うのを止めないけどなッ!


「いやぁ♡ いやです♡ ムネヒト様には、ハナのミルクを、一番良い状態で飲んでもらいたいんですぅ♡」


(この野郎、そんなこと考えてやがったのか! 可愛いヤツめ!!)


 冷静だったのならその願いを叶えてさせてやりたい気もするが、既に手遅れだった。一秒たりとも、お前から離れたくない。


「ん――んんっ! ぢゅるぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーーーッ!!」


 トドメとばかりに、口内と乳肌の間に真空を作るつもりで肺と横隔膜の機能を全開にした。吸引から逃れた空気が、口とおっぱいの間から水音をさせ、それがハナの嬌声と和音を作った。


「あ♡ あああッ♡ ああああーーーーーッ♡ も、もう、もうぅぅっ♡ ダメぇぇ――ッッ♡♡」


 ぷし――ッ。


「ンむぅっ!?」


 ビクンとハナの身体が揺れたかと思うと、舌の先にあった乳首から勢いよく液体が噴出した。

 乳輪ごと咥え込んでいたため確認する事は出来ないが、そこからも何条かの白線が生まれ俺の喉へ流れこんでくるようだ。舌の上に点々と、細く放出される感覚があった。


 んく、んく、んく……。


 俺はその甘露を喉を鳴らして飲み干していく。

 毎日飲んでいる最高の牛乳の味だった。それをこうやって直接搾っていく。

 二十歳をとうに超えた身でありながら見た目若い娘の乳房を貪るというのは、かなり背徳的な行為だろう。

 しかし駄目だ。美味すぎる。最初バンズさんから貰ったときも思ったが、これほど美味しい牛乳を俺は知らない。


「ああ……出ちゃった……♡ ……ムネヒト様にお乳出されちゃった……♡ 吸われちゃってる……♡ 飲まれちゃってる……♡ 止まらない、止まらないぃ……♡」


 ガクガクと四肢を震わせ、遂に決壊した己の乳房を呆然とした様子で呟いていたが、スッポンも降参するぐらいの吸い付きを見せる俺に根負けしたらしく、胸を逃がそうとするのを止めた。


「……準備を怠ってしまい、誠に申し訳ないありません……」


 謝罪なんて不要だ。お前は何も悪くないし、むしろ謝るのは俺だろうに。

 手を伸ばし、いつもしているようにハナの頭を撫でる。今日はサラサラの黒髪だな。

 俺は反対の手で目尻の涙を拭ってやり、もう一度頭を撫でるとハナは笑ってくれた。くすぐったいのは、頭か乳首か。


「はしたないお乳では御座いますが、どうか存分に味わいくださいませ……」


 いわれるまでも無かった。

 ハナの献身的な姿勢に目頭を熱くさせつつ、俺は目の前のおっぱいに全神経を集中させる。

 俺の経験でかつて含んだことのあるミルシェのソレより大きい。

 小指の第一関節程のサイズまで膨らんだそれは、実に咥えやすかった。舌で転がすとプルプルと口の中で弾け、お返しとばかりにミルクを噴出した。

 まさに吸いしゃぶられる為に造形されたかのような乳首だった。


「はい。ムネヒト様に吸われる為だけのお乳です。だから、どうかもっと……」


 俺の心内を悟ったのか、自らを俺専用とのたまうハナ。あわや力任せにむしゃぶりたい欲望に駆られるが、乱暴なのは良くない。我慢だ。

 幾らでも飲めそうだった。思えば、毎日のように彼女達の牛乳を貰っているが、純度100%のハナミルクを味わうのは初めてかもしれない。

 バンズさんやミルシェ、時々リリミカとレスティア達と搾ったミルクは一度集積し簡単な熱殺菌してから頂く。その行程の都合上、牛達のミルクが混ざるのは必然だ。


 だが今はハナだけ。これが本当のハナのおっぱいの味だ。この世でただ一人、俺だけが独占している。

 それを意識するとゴウと血が猛る。すぼめる唇にも無意識に力が篭ったらしくハナが小さく鳴いた。


 すまん痛かった? と乳山の下から視線だけで尋ねると、ハナは微笑みながら首を横に振った。長くサラサラした髪が時間差で小さく揺れる。


「ちょっと驚いただけです。人の体って、凄く敏感なのですね……でも、もっと強くしても良いんですよ?」


 その答えに安心し、俺は目を閉じて忘我のままにハナのおっぱいを貪ることにした。パンパンに張った乳首と乳輪からは止めどなくミルクが溢れ、ポミケで疲れた俺の身体を完全以上に癒していく。

 ふと視線を左に向けると、俺の顔よりやや後ろの方にハナの左乳首があった。

 そこにも白い水玉が浮いてきて、最初の一滴が今にも零れ落ちそうだった。


(いかん!)


 右乳首からより多めに吸いだしてから、俺は左へと顔を動かす。柔らかすぎるおっぱいの暖簾を顔面で押し退け、桃色の先端に貪りつく。駆け付けおっぱいだ。

 この時気付いたことだが、左右のおっぱいで味が違うらしい。右は甘くトロトロと濃厚だったに対し、左はややサラサラとして控えめな甘さながらも深いコクを感じさせる。


「ぁン! もう、ムネヒトさまったら……♡」


 ハナは楽しそうに俺を咎めてくるが、俺はそれどころじゃなかった。

 幸せな焦りとも言うべきか、こちらを立てれば向こうが立たず。左の胸を吸えば右から零れ落ちるそうになる。逆もまたしかりで、俺はおっぱいの間を何往復もすることになる。

 一滴でも溢してしまうことが何か重大な損失に思えて、吸っても吸っても尽きることの無い乳資源を行ったり来たりする。


(ちくしょう、何で俺には口が一つしか無いんだ! 二つあればハナのおっぱいを独占できるのに!)


 いや違う。発想を逆転させろ。俺が増やせないのなら相手を減らせば良い。

 俺は一度口を開け、ハナのおっぱいから離れた。


「えっ……どうして、止めちゃうのですか?」


 乳首から口を離した俺を、ハナや残念さと寂しさの混じった顔で見てくる。まさか。俺が止まるわけ無い。

 俺は無言のまま、両手で巨大な両乳房を外側から掴む(もちろん、到底掴めるサイズではないが)。

 そして人差し指と親指とで乳輪の外側を挟み、今まで吸い付いていた右側と数秒前まで吸い付いていた左側とを中心で擦り合わせた。

 ひちゅ、と、尖りきった者同士が淫靡なキスをする。仲の良い百合乳首だ。

 そこからぷくぅと白い玉が浮かび上がり、唾液の透明と混じり合って半白液になる。表面張力の限界を超え、トロリと雫が滴り落ちそうになった。


「んっ……あ、ああ……ッ」


 怪訝な顔をしていた彼女も俺の意図を察したらしく、戸惑いながらも期待するような声を上げた。


 両方の乳首を擦り合わせるというのは、実は難しい。まずサイズで残酷な篩いがかけられるし、また巨乳爆乳と呼ばれるサイズでも乳房の質に依っては困難だったりする。


 張りがあるバストだったりすると、左右のバストがそれぞれ乳肉でそれぞれを阻害し先端を擦り合わせることが出来ないのだ。

 しかしハナは難なく出来た。

 張りも重量も規格外なのに可能だったのは、何よりサイズが規格外だったからに他ならない。


 二対一、なんのその。俺は二つ並んだ乳首へ、わざと大袈裟に貪りついた。


「あ”ぁぁぁああああああああああ―――ッ♡♡」


 ハナは今日一番の鳴き声をあげる。


「あっ、はぁっ! かはぁっ――! ァア”! ッんぅぅっ! りょ、りょうほうっ♡ そんなぁっ、ぜんぶっ♡ ハナのお乳が♡ ぜんぶムネヒト様に飲まれてますっ♡ ああ、ダメェ♡ むり♡ った、たえられない♡ っ! 気持ち良い、気持ちいです――ッ!」


 正直俺もヤバイ。

 まるで蟻に群がられた砂糖のように、俺の中の人間性が瞬く間に消えていく。砂糖は溶けドロドロの液体になりハナと交わる。ハナのおっぱいに五感の全てを奪われた。

 視覚聴覚触覚嗅覚味覚、何もかもがハナの乳房しか表現しない。レーダーは全面真っ白なミルク色をしている。


 ドクンドクンと湧き水のように溢れるハナのミルクを意識しないと、俺が気を失ってしまいそうだ。

 左右の異なる味覚が舌の上で合一し、極上の味わいとなる。甘くコクがあり、蕩ける様なそれでいてサラサラのみやすい。これほど精緻で複雑、濃厚で繊細な牛乳が存在するのかと、俺は歓喜の涙を流していた。

 泣いていたのは俺だけじゃない。


「すごい! わかっちゃいますっ♡ いま、お乳の中でミルクが作られてます♡ それが、出来てすぐにムネヒト様にす、すわれてぇ……♡ 今ハナは、ムネヒト様だけのためにミルク作ってます――ッ♡」


 見れば彼女も泣き叫びなが、身体を震わせている。本当に苦しいのなら止めるべきだが、だらしなく開きっぱなしの口には笑みの形が浮かんだままだった。

 そんなに気持ちよくなってくれるなら俺も頑張り甲斐があるというもの。俺も嬉しい、お前も嬉しい、まさに相思相愛だ!


 それからも一心不乱に俺はハナの乳房を貪った。

 俺が喉を鳴らす振動だけでも刺激になるのか、ハナは嚥下に合わせて切なそうな溜め息を漏らしている。ピクンピクンと肩を揺らす振動が、俺の口の中にある乳首まで伝わってくる。そしてそれまでもが乳悦の対象になり、ハナは更に甘く喘いだ。

 なんて敏感なおっぱいなんだ。

 俺の指、俺の舌、俺の口、俺の歯全てがハナを喜ばせている。ハナの言葉通り、俺ってばマジでおっぱいの天才なのでは? と勘違いしてしまう。


 ふと、彼女の乳の出が悪くなった。強めに吸ってみても、先程までの勢いには遠い。


「……ハナ?」


「はぁ……はぁ……くぅン、はぁ、ぁぁ……!」


 見上げると、ハナは耳まで真っ赤にしていた。おまけに苦しげに表情を歪め、下唇を噛んでいる。目をきつく瞑り、閉じられた睫毛に涙を一杯に溜めている。

 苦痛に喘いでいる? と考えたのはほんの一瞬。直ぐに俺は、ハナが何かを我慢していると気付いた。それが無意識のうちにおっぱいにまで影響を与え、ミルクの出を悪くしているのだ。


 ハナの悪い癖だ。

 餌やマッサージを与える時は、いつもハナが最後になる。マルなどは我先に駆け出してくるのに、ハナは自分を後回しにするのだ。

 人の姿になってもちっとも変わらないハナの性格を微笑ましく思いつつ、俺はハナの乳房を揉んでいた手の力を弱め、乳肌の表面をそっと撫でる。

 指先のみで触れるか触れないかの触り方に、ハナは大きく身体を振るわせた。

 今は俺とハナしか居ない。だから我慢などするなと言ってやりたかった。彼女の忍耐力をくすぐる様に、おっぱいを物理的にくすぐったのだ。


「……いいえ、それは、駄目です……。ハナは、貴方様に喜んで頂きたいだけ……なのに、願いを言えなんて、それではアベコベになってしまいます……。もう、これだけで、充分に幸福なのです……っ、だから、どうか、ハナの願いなどは……捨て置きください……」


 ハナも俺の気持ちに気付いたらしく、切なげに顔を横に振った。


「いいから」


 俺がお前の前では我慢しないように、ハナにも全部曝け出して欲しかった。浅ましい自分が恥かしいのか? 相手に申し訳ないのか? それくらいで俺がお前を嫌いになるわけがない。

 俺は吸うのすら止めて、両乳首から口を離した。


「良いんだハナ。全部聞かせてくれ、何を我慢している?」


 唾液とミルクまみれになった桃色の尖塔に、唇だけで触れるようなキスをする。ちゅ、ちゅ、と彼女と俺だけに聞こえるような音量で、甘く熱くなった乳首にキスの雨を下から降らせた。

 ハナは双つの果実を揺らし、俺の口の中に己の最も敏感な部分を入れようとしてくる。もっと激しくおっぱいを愛して欲しいのだろう、自分の言葉よりもおっぱいの方が正直らしい。


 だが俺は、むしゃぶりたい気持ちを抑えてそれを拒む。

 代わりに舌だけ伸ばして、パンパンに張った乳首を転がすだけに留めた。プルプル弾ける肉の芽からは甘い雫がジワと溢れるが、まだまだ彼女の本気には程遠い。

 反対の乳首にも指を派遣し、根本を薬指でカリカリとくすぐった。

 正直に言わないと、もうシてやらないぞ? と、ハナもハナのおっぱいも焦らした。ついでに俺も焦らされていた。


「ああ、ああ、ああ! 良いんですか? もっと、我儘でも、もっと、もっとムネヒト様に、願っても、良いんですか……っ?」


 辛抱にヒビが入ったらしいハナは、苦しそうに喘ぐ。


「もちろんだ。さあ、どうしたい? 俺にどうされたい? おっぱい、どうして欲しいんだ?」


 ハナは息を呑み、やがて震えながら訴えだした。


「吸って、しゃぶって、飲んで、飲みつくして……」


 違う。もっとだ。まだ顔には、我慢と恥かしさが見える。言葉ではともかく、人になったばかりのハナには上手な嘘が付けないんだろう。


「お乳首、めちゃくちゃにして……もっと気持ちよくして……お乳を空っぽにして下さい……このハナのお乳をムネヒト様のモノにして下さいまし……!」


 違う違う。もっと自分本位になってくれ。何を躊躇う? どんな望みだろうと、俺がハナを軽蔑するはずないだろ。


「ああ、ああ、駄目、駄目です……そんなに優しくされたら、ハナは、ハナはぁ……ッ! 際限なく浅ましくなってしまいます……ッ!」


 そうだもっと我儘になれ、もっと自分のさらけ出せ。何故なら――。


「ハナの願いが、俺の願いなんだ」


 ブツン、と確かに聞こえた。


「ハ、ハナの、ハナのミルクで、貴方様の御身を作らせて下さいっ! ムネヒト様の、命を、ハナの、ハナのミルクでっ! ハナのお乳を、ムネヒト様のお命にっ、させて下さいぃぃ!」


 トロトロの乳と一緒に、涙と感情が吐露された。

 彼女の言うはしたのない願い、それは彼女にとって命の恩人である俺の命を、自分が創りたいという欲求。

 俺を、このハイヤ・ムネヒトの五体五臓六腑全てを、自分で満たしたいというこの上ない独占欲だった。


 よく言ってくれたハナ。俺の命はお前が創ってくれ!


 ――ぢゅっ、ぅぅぅ――――ッッ!


 そう胸の内で答え、今日一番の力でハナの乳首を吸引した。気化熱ですっかり冷えてしまった乳肌を、灼熱に変えんばかりの勢いで求める。もはや俺とお前を遮る物は何も無い。


「あッッあァァ――――ッ♡♡」


 絶叫と共に咥えた両乳首からミルクが俺の中に迸った。

 肉体と無意識下の両面の制約が完全に取り払われ、今までどおり――いやそれ以上のミルクが放出された。

 喉を鳴らす必要もないくらい、溺れんばかりの勢いだが俺は全て飲み干すことが出来た。

 内臓に流れ込むと瞬く間に細胞に行き渡る。消化器官を介さず、分解、吸収、循環の行程を得ることなく俺の命になっていく。それがはっきりと分かった。

 ハナのおっぱいを吸ってるだけで俺の身体が強化されていく。一秒毎に、また一滴毎に、全く別次元の力が漲ってくるようだった。


「ちゅる、ちゅるぅる――ぬムぐ!?」


「はぐぅ!?」


 ついに腕の力が抜けてしまったのだろう、全能感とハナミルクを味わっていると、不意に上から彼女が落下してきた。


「もっ、申し訳ありませんっ! 直ぐに起きますから、ああ、なんでぇ……! ちからが入りません、や、いやぁ、ムネヒト様に圧し掛かっちゃってるのに……」


 ほんの十数センチとはいえ、重力に従い自由落下したため俺は後頭部を地面と打ち付ける。しかし全く気にならないし、痛くもない。むしろありがとうと言わせてくれ。

 完全に崩れ落ちたハナは、腕で地面と干草の海を下手にクロールするだけで一向に浮上できないでいた。

 ハナの心地の良い重さがのし掛かり、俺と幸福のハンバーガーを作る。パンは俺とハナ、パティはおっぱいだ。

 誰にとっても不意な出来事だったが俺はしっかりとハナの両乳首を、しかも落下の衝撃でも歯を立てることもなく咥えたままだった。


 たとえ本物の隕石を喰らってもおっぱいからは離れない、俺はその証左を示したのではないか。

 誰か褒めてくれてもいいぞ。でもきっと誰もしないだろうから、自分で自分を褒めよう。

 見事だ俺! 流石だ俺! 凄いぞ俺! お前にはハナのおっぱいを存分に吸う権利を与えよう既にヤッター!


「ぢゅ、ちゅぅぅるぅぅぅ―――――ちゅぅっちゅぅっ―――――ッ!」


「ひぃぃん!? い、いまっお乳を吸ってはなりませんッ! 立てません、立てなくなってしまいますからぁ……♡ しっ……知りません、人間の前足が、こんなに弱いなんてぇ……♡」


 ハナはわななく両腕で必死になって身体を支えようとするも、もう僅かも身体は持ち上がらない。

 立たせるものか!

 そう言うつもりで俺はもがくハナの背中に手を回す。汗ばんだウエストを抱え、両腕でロックした。

 上に逃げようとするハナを抱き寄せ、俺の身体へ押し付けた。

 体ごと圧し掛かった密着、ハナの自重と俺の顔全体とで一層ひしゃげたおっぱいからは、ミルクが出口を求めて噴き出している。顔面搾乳とはこれのこと。


「むねひとさまがハナを抱き締めて、離れられない♡ ……嬉しい♡ ……ごめんなさい、立てません、ぁぁ……いとしい、むねひとさぁ……♡」


 俺はムニュと潰れたおっぱいのからハナの乳首をメチャクチャにしゃぶっていた。

 ハナは俺の為すこと全てを許してくれる。甘えれば甘えるほど、ハナは俺の馬鹿さを際限なく許してくれた。

 男女に限った話では無いが、優しすぎる存在が如何に自分を駄目にするのかという実例を思い知った。

 ハナは俺をどこまでも駄目にする。いや、駄目になっていい。

 プツンと、今度は俺がキレる番だった。


「お、おのれハナぁぁぁ!」


 遂に我慢の限界を越え、上から覆いかぶさっていたハナを逆に干し藁に押し倒した。


「きゃぁっん! ムネヒト様ぁ!?」


 仰向けにされた経験など、牛の頃も通じてないだろう。ハナは明確な狼狽の声を上げた。

 流石に勢い余り、おっぱいが俺の口からプルンと離れ、白色が涎と混じり空間に曲線を描く。干し藁に倒れた勢いで、彼女のVカップがタウンタウンと縦横無尽に振動した。


「こんなに育つまで俺に黙っていただとぉ……許さんぞハナ! よ、よくも、よくも、ここまでおっぱいを大豊作(?)しやがってぇ!」


 仰向けになっても堂々と膨らんでいる双子おっぱい。

 押し倒された勢いでプリンのように震えるおっぱい。

 巨大さと重量さゆえに乳肉が左右に広がるおっぱい。

 何もかもが俺の心をかき乱して止まない。


「大体この乳首はなんだ!? 初めて男しゃぶられるクセに、こんなにしやがって!」


 皿に着地したプルプル震える超巨大プリンの先端に、俺は接触せんばかりに目を近づけ瞬きもせずに見入った。

 濃いピンク色になった肉蕾は俺の唾液でドロドロにされていたが、まだ足らないと言わんばかりに屹立していた。


「や、ヤだァっ♡ 見ないで! 見ないで下さい♡ ハナのはしたないお乳首を、そんなにジッと見ないで下さい♡ ムネヒト様に見つめられてるだけで、ハナは……ハナはぁ……♡」


 その先端に鎮座する乳首がヒクヒクと微細に慄き、捕まえてごらんと挑発してくるように感じられた。

 堪らなくなった俺は彼女の脇の下から両手を差し入れ、おっぱいの逃亡を防ぐ。超巨大な果実をタプタプと寄せたり離したりして、彼女の羞恥を呷る様に弄んだ。

 二つの点同士が近づいたり、離れたりする。そして最接近した瞬間を、この俺は逃さない。


「うるさい! こうしてくれる!! は、むぅッ!」


「かっ、はァーッん♡」


 再び真ん中で繋がった授乳の目印を、唇という牢屋に押し込んだ。そのまま欲望と愛情の限りを尽くした取調べを開始する。罪状はもちろん、素晴らしいおっぱい罪だ。

 仰向けだというのに一切勢いを弱めない噴乳は、俺の上顎を強かに打つ。ミルクの幾筋かが勢い良く喉にまで届くという、凄まじさだ。


「はゥん♡ 申し訳ありません、ムネヒト様に内緒で、お乳を膨らませてしまって、誠に申し訳ありませんっ♡ でも、貴方様が大切に、いつも、たくさん♡ ハナのお乳を愛して下さったから、こんなに、大きくなってしまったんです♡」


 ハナはイヤイヤと藁の上で頭を左右に振っているが、その顔は明らかに蕩けきっていた。


「ぢゅぅ、んぷハッ……なんだとォ! 俺のせいだというのか!? ごめん! けど、お前とお前のおっぱいが魅力的過ぎるのも悪いんだ! 謝れ! お前にメッロメロにされてしまった俺に謝れ!! 謝らないとお前のおっぱいを可愛がり尽してやるぞ!」


「すい、ません♡♡ 本当はっ、ムネヒト様にハナのお乳を♡ ハナ吸って欲しくて吸って欲しくて吸って欲しくて、堪らなくて♡ まいにち、まいにちぃ♡ 待ち焦がれていたからっ、お乳にミルクが溜まってしまって、ぱんぱんに膨らんでしまったんです! 恩返ししたいなんて嘘なんです♡ ハナが、ぜんぶ、悪う御座います♡ どうかっお許し下さい♡ ですから、お乳首を可愛がるのを止めるのだけは、お止め下さい♡♡」


「許す! いや許さん! 絶対に許さん! お前に、ちゅ、誅罰をくれてやる! ぢゅ、ちゅぅぅうううーーーぅぅぅぅっ!」


「ァひィ♡ 誅罰ーーッ♡ むねひと様に、ちゅうちゅうって罰せられるの好きィ♡ もっと♡ もっともっと誅罰を、この浅ましいお乳に、ムネヒト様のちゅうをお与え下さいぃ♡ ちゅうって、ちゅうちゅうして下さい♡」


「罰せられておきながら悦ぶなんて、なんてヤツだ! こうなったら反省するまで、ハナのおっぱいを搾りつくしてやるっ! 覚悟しろハナ!」


「ひぃぃぃぃん♡ しますっ! 覚悟しますっ♡ でも反省など、いたしません♡ だから、罰を、罰をぉ♡ もっとこのハナにお与え下さい♡♡」


 俺アホちゃうかと後日思い出す事になるが、今の俺はハナのおっぱいの虜だった。


「凄いぃ……ムネヒト様ぁ……もっと……ハナを、ハナをぉ……♡」


 枯れるという言葉から最も遠いハナの源泉からは、どぷっ、どぷっ、と極上のミルクがあふれ出てくる。

 吸うのを止めても、舌で栓をしようとしても留まることを知らない。ならば逆にと俺は、ハナの両先端を咥えたまま、乳肉の麓から頂上に向けて絞り上げていく。

 俺は更に溢れたるミルクを喉の奥へ流し込みながら、キスしたままの両先端へ、俺はむしろ邪魔するように舌を乱入させた。

 舌先を尖らせ並んだ乳蕾を横八の字で舐め回す。右乳首の外周りを上から下へ、間、左乳首の周りを上から下へ、間、右と、高速で繰り返し周回する。


「く、ひぃぃ――いいいいぃぃ♡」


 たまらずハナは海老反りになり、身体全てで乳悦を表現した。おとがいを跳ね上げ、甲高い喘ぎを喉から発した。

 全身が天井に向け弓なりになったが、彼女の下腹部は俺の身体で行き止まりを迎える。ハナのすべすべした肉体が、何度も俺の体へ擦り付けられた。


 これぞ奥義無限舐め。

 さくらんぼの茎を口の中で十秒以内に結べる繊細さと、舌回し体操毎日千回で鍛えた舌筋を併せ持つからこそ可能な技。

 君子、睦まじき百合に近寄らず。されど、睦まじき乳首はなぶります。

 無論、おっぱいに気持ちよくなって貰うためしてきた修練だ。俺の努力は今、実を結んだのだ!


「ァアッ♡♡ イイッ! それっ、好き♡、お乳首、両方とも吸われながらっ♡ メチャクチャに先っぽ、ベロベロされるのぉッ♡♡ 好き、だめ、ダメダメダメぇッ♡ そんなにされたらぁ♡♡ 我慢できない♡♡ もうぅ、お乳が止まりません――♡♡」


 並んだ桜色の突起は、自分の白濁液と雄の唾液にデコレーションされながら、俺の中で乱れ続けた。

 ほとんど絶叫となったハナの嬌声をBGMに、俺は一心不乱に彼女のおっぱいを貪った。

 マリアナ海溝の底に届く程のストローを咥えるつもりで、最後の一滴までとハナの最奥を目指す。


揉んで♡ムネヒトさまっ触って♡ムネヒトさまっつねって♡ムネヒトさまっ吸って♡ムネヒトさまっ舐めて♡ムネヒトさまっ噛んで♡ムネヒトさまっ嬲って♡ムネヒトさまっ飲んで♡ムネヒトさまっ飲んで♡ムネヒトさまっ飲んで♡ムネヒトさまっ!」


 ハナ、お前が欲しい。お前もお前のおっぱいも、全て俺の物だ。ハナにも俺をやる。お前の望みなら全て叶えてやる。だから今は、お前に溺れさせてくれ。


「――――ハナを、愛して♡ムネヒトさまぁぁぁ♡


 最後の噴乳は、牛であった頃のハナよりも勢いも量も質も上だった。

 俺とハナは、何処までも何時までも求った。

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