慎ましき者達
歩いて二十分程度の道程を、その日は半分以下の時間で駆け抜けたレスティアは騎士団の女性専用宿舎に帰宅した。
「あ、お姉ちゃんおかえりー……ってあれ?」
また断りなく居座っていた妹のリリミカを無視し、逃げ込むように自室へ。
全力疾走だったため汗で張り付く前髪を乱暴に掻きわけ、荒い息を何とか整えようと努める。
「……――はぁ……はぁ……はぁ……」
顔が熱い。心臓が煩い。血流がうねりとなり鼓膜をごうごういわせるほどだ。
やや落ち着きを取り戻し、背もたれにしたままのドアからずるずる重力に負けて床にへたり込む。
そのまま暫くじっと動かず、やがて数分。
「……ハイヤさんに、謝らないと……」
幾分冷静さを取り戻した頭でそう結論を出した。
想定以上のことだったとはいえ、自分から言い出したことだというのに感情の赴くまま横っ面をひっぱたき、逃げるように……いや実際逃げてきたのだ。
なんという身勝手。我が身のことしか考えていないではないか。
しかし、しかしだ。あそこまで強烈な育成だとはレスティアも全く予想していなかった。
手つき自体は丁寧すぎるほどで、まるで貴重品を扱うかのような指の使い方だった。だがその多くは決して特殊な物では無く、あの位の動きなら日課のマッサージと大差ない。
だが与えられた刺激は桁外れだった。両胸へ手が下ろされた瞬間、未だかつて経験のない感覚が全身に広がり、最後のほうではとても平静では居られなかったのだ。
ほんの数十分前の出来事を思い出すと、顔が赤くなるのをどうしても抑えられない。
「どうかしていたわ、私……」
いくら何でも他人の、それも親密な間柄ではない男にさせるようなことではなかった。
ムネヒトが誠実であったから良かったものの、あのまま押し倒されてしまってもおかしくは無い状況だった。
今更ながら貞操の危機だったのでは無いかと身震いする。しかも自分から飛び込んだ形で、だ。
それでもだ。自分でも不思議なのだが、あれほどの行為をされたというのに彼に対して一切の嫌悪感も悪感情も沸かない。
彼に肌を晒すという行為に驚くほど抵抗を感じなかった。羞恥は当然あったのだが、何故かそう感じた。
しかも心無しか体が軽くなっていて、熟睡しても完全には拭えなかった疲労感が綺麗さっぱり無くなっている。
そして何より認めたくなど無い事実なのだが、ムネヒトの手はあまりに……。
いやいやと頭を振り、そのはしたない自覚を脳外から押し出すとレスティアは衣服を脱ぎ捨てる。十数年欠かしたことの無い日課のためだ。
「はぁ……あれくらいで大きくなったら苦労はしないのよね……」
彼への罪悪感、自己の浅ましさへの反省、未だ乳房から去りえない軽い痺れをため息に混ぜながら彼女はメジャーをとる。
そしてそれを使い手際よく胸に巻いていくレスティア。外気に肌を晒したことの一瞬の寒さと、メジャーの冷たさが火照った身体に心地良い。
やがて姿鏡の前に立ち、胸の最も高い位置にメモリをあわせた。
もう何年も74センチから変動していない自己の身体数値。スリーサイズのバスト。
十代の頃は毎日恨みがましくメモリを睨んでいたが、二十代になるとその感情も薄れ、現在では惰性的ルーチンワーク以外のものでは無い。
絶望も希望も生み出さない非生産的な行動は、自身の諦めの悪さを象徴しているかのようだと自嘲気味に考えてしまう。
「ほらね、77センチ……どうせ何年経ったって変わらな――――……!?」
眼鏡がずれるほどの勢いで振り向き、鏡に映った上半身裸の己とメモリを穴の開くほど見つめる。
77センチだった。
震える手を動かしメジャーを一度仕舞う。ニ三度深呼吸した後同じ動作でバストを計測する。
77センチだった。
今度は体の向きを変え、慣れない方の手を使いモタモタ計測する。
77センチだった。何度見ても74センチではなかった。
何年も一緒だったメジャーを取り落とし、両手を自らの胸に押し当てる。伝わる感触の中に、昨日までは無かった追加の質量が確かに存在した。
その事実をようやく受け止めたとき、レスティアから一切の感情が吹き飛び――。
「――――――――ッ」
叫んだ。
・
「どうしたのお姉ちゃん!?」
姉の叫びを聞きつけたリリミカは部屋に飛び込んでくる。
妹でも聞いた事の無いようなレスティアの絶叫は、彼女を大いに慌てさせていた。制服から私服になってはいたが、腰にレイピアを提げ何時でも抜刀できる用意は出来ていた。
蹴破らんばかりの勢いでドアを開けた放ったリリミカが見たものは、
「ふぇぇ……うぇぇぇん……!」
へたり込み泣いてる半裸の姉だった。
「えええ!? ちょ、どうしたの!? 何があったのッ!!」
姉が泣いている姿を見るのは久しぶりだった。
姉の身に何か起きてしまった事は間違いないと、リリミカは無意識のうちに柄に手を掛ける。
「大丈夫、だいじょう、ぶ……だから、気にしないでリリミカ……」
ぐすんぐすん鼻を鳴らしながら、彼女は近くにあったシャツを着るレスティア。
涙に濡れた妹と同じ色の瞳を向けてくる。何故か口元には微笑みすら浮かんでいて、その様子にリリミカの困惑は深まるばかりだ。
「いやいやいや泣いてるし! それで大丈夫なわけ、な、いじゃ……」
突如リリミカを襲う深刻な(少なくとも彼女にとっては)違和感。その目は、下着もせずシャツを着込むレスティアの胸元に注ぎ込まれていた。
「……嘘――、な、んで――……!?」
リリミカは姉の泣いていた理由を瞬時に悟る。レスティアの胸が大きくなっていた。
ヨロヨロと面白いくらいにうろたえ、二三歩後ずさるがその目は姉の胸をロックオンしたままだ。
「そんな、馬鹿な、嘘よ、そんな――え、だって、まさか、ありえない、え、は?」
「……現実よ、リリミカ。お姉ちゃん、ついに大きくなったの」
「――――――――ッ」
姉の突きつけた残酷な(少なくとも彼女にとっては)事実に、今度はリリミカが叫ぶ番だった。
「なんで、なんでなんでなんでなんで―――――――!?」
リリミカは姉がパッド戦士であることは知っている。日頃から熱心にバスト鍛錬に励んでいる姿も幾度と目撃している。そして何の成果も得られていないことも。
姉とは十歳の年の差があるが、身長はともかく、体重と胸の差はほとんど無い。それにクノリ家直系の女子は初代を含め大体慎ましい胸で、二人の母も祖母もその例に漏れなかった。
『周りの皆に豊穣の希望を分け与えたのだから、初代様は清貧を貫いたのだ』とは誰の言い分だ。
だからこそ諦めも付いていた。自分の成長期は此処で終わりなのだと覚悟して受け入れていた。
なのに、それなのに。
「お姉ちゃんの裏切り者――――――――ッ!!」
崩れ落ちた。
リリミカは自身の体型にコンプレックスを持っているわけではない。
自分にはミルシェという親友が居るし、彼女の苦労も知っているので巨乳になりたいなどとは思っていない。思っていなかった筈だ。
だが本当にそうか? 自分の薄い胸を同世代の友人と比較して憂鬱になったことは一度も無いのか。ミルシェを羨ましいと思ったことが無いと言えるのか。
否だ。
「泣かないでリリミカ、私は貴方を裏切ったわけじゃないの。貴方だってきっと可能性はあるわ」
「お姉ちゃん――」
優しく肩を抱かれ、リリミカはレスティアの顔を見上げる。
しかし、言葉や表情こそ優しかったがその口元に優越が滲んでいるのが見えた。妹には分かる程度の姉のドヤ顔だ。
「コノヤロ――っ!!」
「ちょ、キャアッ!?」
睦まじい雰囲気など霧散。隠しきれないレスティアの愉悦に、リリミカは神経を逆撫でされ半泣きのまま姉に飛びかかる。
「脱げオラァ! いったいどんな手を使ったのよ!? 見せろ検分させろ、大人しくおっぱいを出せやァ!」
「ひぃっ!? 顔が怖いわよリリミカ!」
姉妹とはいえ、覆い被さり衣服を剥ごうとするなど傍から見れば犯罪以外の何物でもない。
レスティアは割りと本気で抵抗するが、肉体的戦闘力はリリミカが上だ。あっけなく着たばかりのシャツを奪われ、大きくなったばかりの双丘が余すことなくリリミカに晒される。
「――――」
反応が顕著だったのはリリミカだ。絶句し目を見開き呼吸以外の役目を放棄した口が意味なくパクパク動く。
間違いなく膨らんでいた。しかも3センチも。馬鹿な。確かに昨日は……いや、昨晩泊まり今朝みた時は確かにまだ74センチだった筈。
アカデミーでは
それだけじゃない。姉の体から神聖さすら滲みでる美しさを感じた。
リリミカもレスティアも初代クノリが発明した石鹸やボディソープを使っていて、肌には密かに自信があった。
だが何があったのだ。先週一緒に入浴した時に見た肌とはまるで違う。下手すれば自分より若々しいのではないか。
水がまるで新品の傘を下ろした時のように白磁の肌に弾かれ、表面張力いっぱいまで膨らんでいる。
日焼けくすみも無くキメ細やかさも理想的、ツンと尖った鮮やかさまでいっそ眩しい。
穢れを知らぬ乙女のようだ。いや実際二人ともそうなのだが。
「余り見ないでリリミカ。さすがに恥ずかしいわ……」
そうは言うが胸を隠すこと無く、押し倒されているというのにむしろそれを誇示し、更に優越感を滲ませる声色だった。
それも耳にも目にも入らず、しばし呆然と姉の乳房に意識を持っていかれるリリミカだった。
・
「……あり得ないわ」
再起動したリリミカはコップ一杯のサンリッシュ牛乳を一息で飲み干し、何度目かの感想を呟く。
「ふふふ……私も信じられないわ。まるで夢みたいだもの」
近年記憶にないくらい上機嫌で、同じくサンリッシュ牛乳を飲むレスティア。鼻歌なんて歌いやがってとリリミカは歯軋りする。
「あり得ないったらあり得ない! お姉ちゃんの胸を大きくするには、初代様がニホンに残してきたという封印魔術『しりこん』しかないと思ってたのに!」
噂でしかないニホンの、更に噂でしかない魔術を口に出し、姉を恨みがましく見やる。空っぽになったコップにレスティアがニコニコしながら牛乳を注いでくれる。ちくしょう。
「でも現実なのよリリミカ。何時までも目を背けるのは感心しません。ふふふ、ようやく何年も保管されていたBの下着を着られるのね……」
「あり得ない……お姉ちゃんが1センチ大きくなる確率なんて、聖剣ヴァルガゼールが見つかる確率とどっこいだと思ってたのに……」
「あら、千年経っても無理って言いたいの? じゃあきっと近い内にはダンジョンが攻略されるのかもしれないわ」
皮肉も通じやしない。これが持つ者の余裕という奴か。
「ふん……たった3センチじゃん。まだまだ平均より下なのに、そんなに浮かれちゃってさ……」
「ごめんなさいね? 四捨五入すれは80っていうのがつい嬉しくて……」
「…………ぐぎぃ」
反撃を喰らった。
80……八十……はちじゅう……なんと甘美な響きか。70と80では天と地の差がある。(少なくとも彼女にとっては)
自分は74で姉は77。その差は数字以上の物がある。私のおっぱいが哀れで仕方ない。こんなことなら、日頃からもっとバストアップに勤しめば良かった。ごめんよぅ、ごめんよぅと、リリミカは自分の胸に懺悔する。
いや後悔するのはまだ早い。
「教えてよ! いったいどれほどの魔法を使ったのさ!? 『しりこん』じゃないとすれば、『
現在では使い手の居ない伝説の等級を出す辺り、リリミカの動揺は相当なものだった。使用するのに宮廷魔術士が十人単位で必要な『最上級』より上の等級で、胸を大きくする為だけの『超級』魔術なんてあるはずないというツッコミはこの場合無意味だ。
「ん~……内緒。リリミカにはまだ早い方法よ」
浮かれやがって。
「ズルいよ! お姉ちゃんばっかりズルい! 私にだって教えてくれても良いじゃん! それとも、やましい方法なの!?」
そこでピクリとレスティアが反応するが、それは一瞬のことだった。
だがその仕草にリリミカはピンと来るものがある。
「まさか……男なの?」
ブッ、と牛乳を吹き掛け寸でのところで堪える姉。
「けほっ、けほっ……変な事は言わないで頂戴。私がどこぞの男と何かあったと言いたいの?」
クノリ語録に『男に揉んで貰えれば大きくなる』というものがあることはリリミカも知っていた。試したことなどあるわけないし、それが確実では無いことは母を見れば分かることだ。
それに姉は普段は武装している。本来のバストを晒した上に触らせるなど考えられない。
あるとすれば恋人などだが、姉の一途さは知っている。それも無いだろう。
「見知らぬ男じゃないとすれば……?」
しかし、レスティアの反応を見る限りこの線が怪しい。何か普段とは違う事は無かっただろうか。
リリミカは一つ思い当たる。
「……そういえば、今日ミルシェと帰るときに話したんだけどさ……お姉ちゃんムネっち――ハイヤ先生と一緒にいたらしいじゃん」
「…………」
黙秘である。
「ハイヤ先生の影響でミルシェの胸が成長したかもって会議はしたけどさ……」
「………………」
「でもそれだけじゃ流石にね……他に理由があるの? ハイヤ先生には特別な力があるとか……実は高名な魔術士とか……」
「……………………」
「あるいは――――」
チリンチリンと、来客を告げるドアの呼鈴が鳴る。
リリミカの追及が激しくなり、レスティアも喋り過ぎたかと後悔し始めた頃だった。
『すいませんムネヒトです。レスティアさん、いらっしゃいますか? あんなことがあったばかりで心苦しいのですが、お話を……』
どこぞの商人みたいなへりくだった口調で来客したのは、件のムネヒトだった。
「――!」
姉妹が行動を起こしたのはほぼ同時だった。その後の速度に差をもたらしたのは二人の服装の差に過ぎない。
レスティアは自室とはいえ上半身は素肌にシャツ一枚という人前に出てはいけない類の格好だ。一瞬の躊躇いは致命的なまでの差となり妹に機先を制される。具体的に言うとリリミカは玄関にすっ飛んでいった。
「ムネっち!!」
「うおっ! リリミカ!? お前も来てたのか!?」
急に開いたドアと中から現れたリリミカに驚きの声を上げる黒髪の青年、何かが入った皮袋を手に持っている。
リリミカの頭が凄まじい勢いで回転する。時間が無い。後ろから身だしなみを整えたレスティアが迫ってくる。
一言で真相を突き止められる質問はなにか? 姉の胸を触ったと訊くか? どんなスキルを持っているかを問うか?
いや、ムネヒトがレスティアと口裏を合わせている可能性もある。なるべく警戒心を抱かせないような、そして次に繋がるような質問をぶつけるべきだ。
仮にムネヒトの為した事だとして、姉がそうさせた理由は何か? 今まで試さなかった男に揉ませるという不確実な方法を補強させた材料はなにか? 彼が何をしたかではなく、何故彼じゃないと駄目だったのか?
この間2秒未満。そして開いた口から発せられた言葉、それは――。
「――ムネっちってさ、どこ出身?」
「え? ああ、日本って国だけど……そういやリリミカ達のご先祖様もそうなんだってな。レスティアに聞いたのか? ここに住んでるって聴いたんだけど、中に居る?」
「――――」
「おいどうした? なんか顔色が――」
「ムネっち!! おねぎゃ」
リリミカの言葉は半ばで後ろからのタックルで止められる。
衣服を整えたレスティアの仕業だ。のし掛かるようにして妹の動きを封じ、口を乱暴に塞ぐ。
「はぁ、はぁ、はぁ……! 先ほどぶりですねハイヤさん! どういったご用件で!?」
「あ、ああ……そのさっきの事について謝りたくてですね……あとこれ、忘れ物を……」
姉妹の過激な肉体コミュニケーションに若干引きながら、ムネヒトは訪れた用件を告げる。
「謝るってなにを!? やっぱりお姉ちゃんのむもがが!」
「忘れ物……ああっ! わざわざ申し訳ありません! それにお詫びだなんて……無理を言って無礼な真似をしてしまったのは私の方です。なんと謝罪すれば良いか……」
「お姉ちゃんのワガママってなに!? ムネっちにもがが!」
「しかしだな……俺がお前にしたことは、その……」
「ちょっと!? きいもがが!」
「お気にならさず。むしろ私はお礼を申し上げるべき立場になりそうですし……」
「そう言ってくれると助かる。あの……リリミカは良いのか? なにか非常に言いたそうにしているんだけど……」
「もがが! もがが!」
レスティアが思った以上に怒っていないことに安堵したムネヒトは、姉に言葉を封じられ続けているリリミカを見る。しきりに何かを話そうとしているが、完全に封殺されている。
「妹は無視してくれて構いません。姉妹での話ですから」
「そ、そうなのか……」
言い切られてしまえば関わるのも気が引けてくる。身内のデリケートな話題に他人が割り込むべきではないだろう。
「ではハイヤさん。今からリリミカと話をしないといけませんので……せっかく訪ねて下さいましたのに、おもてなしも出来ず申し訳ありません」
「あ、いや……俺こそ忙しい所にお邪魔して悪かった。うん、すぐに帰るよ」
「ぷっは! 帰らないでムネっち! ちょっと話をもがが!」
「では、またアカデミーでお会いしましょう」
そのまま後ずさりしながら扉の向こうに消えていくクノリ姉妹を見送るムネヒト。
手持ち無沙汰になりポツンと佇むこと十数秒。やがて頭を掻きながらムネヒトはその場から離れていく。
『何を言おうとしたのリリミカ! 早まった言動は慎みなさい!』
『慎まなかったのはお姉ちゃんの方じゃんか! 色んな意味で慎みを止めたってか!? やかましいわ!』
『これは私の交渉の成果よ! ともかく私の許可なしにハイヤさんに近づくことは許しません!』
『独占はんたーい! ムネっちは悩める少女達の救い手になるかもしれないんだから、お姉ちゃんだけが利益を得る真似は許さない!』
『だから私が矢面に立って実験をしているんじゃないの! 言いがかりはやめて頂戴! 悩める少女というのなら私だってそうよ!』
『もう結果が出たんだから十分よ! 次は若者枠で別の誰かで、例えば私とかで試すべきって言いたいだけよ! ムネっちなら喜んで協力してくれるし!』
『そんな不埒な方法を未成年にさせるなんて認めるわけにはいけません! 生徒達や貴方を護る為に、私が人柱になるのだから今はそれで我慢しなさい!』
『お為ごかしよ! それにお姉ちゃんもう少女って歳じゃないじゃん!』
『貴方ッ! 言ってはならないことをーーッ!!』
部屋の中から聞こえてくる会話に一抹の不安を抱えながら、ムネヒトはなるべく考えないようにいて帰路についた。
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