ユラはサマンサ行動を撃退しました(改)

王城から戻って来たサマンサは、機嫌が悪く使用人達に当たり散らしていた。


クリスは嫌な予感がしたため、急ぎユラの元にその事を伝えに向かった。


「ユラ様クリスです。入りますね」


ガチャ

クリスが入ると小屋の地面に倒れて寝ているユラの姿があった。


また魔力枯渇で倒れて寝てる。こんな状況に置かれてるのに、決して諦めようとしない…

ほんと凄いなぁ…

それに聡明で、私達にも優しくしてくれるし、ずっとユラ様について行きたい!

そう思わせる大好きな方…

そうだ起こして伝えなきゃ


「ユラ様起きて下さい」


「まだ疲れてるからぁ~」



「わかりました、では」


『大好きよユラ様…』


ブチュー


「!」


「ごちそう様ウフフ」


「うぅ… またキスしたぁー」


「ユラ様がいつまでも寝てるからですよ」

「だって昨日も頑張ったから倒れたの」


「ユラ様普通は魔力枯渇で倒れるまでしませんよ、凄く辛いですもん」


ほんとにこの方は凄いなぁ…

魔力枯渇なんて一度体験したら二度とやりたくないくらい辛いのに…

そうだ教えてあげないと



「ユラ様先程サマンサ様が王城から戻られ何かあったようで、凄く荒れていて私達使用人に当たり散らしてます。

何でもユラ様の代わりに、王女様の誕生会に行かれ、どうも断られ帰って来たようです。」


ユラは、王女様と聞いて驚く

ユラの取った行動に王女二人が感動して、自分達のパーティーに招待したなど起こした行動など、当然ユラは知るよしもない。


「え?王女様?お誕生会?何それ、ボク王女様に会った事ないけど…」


クリスも納得する


「ですよねぇー、でもサマンサ様はその事を問い詰めて来るはずです。注意してください」


と言ってもなぁ…

知らないって言っても信じないだろうし何か考えないと…


「わざわざそれを教えてくれるために、ボクのところに来てくれたの?」


「はい!私もマリ同様に一番大切なご主人様ですから」


クリスって行動めちゃくちゃなところあるけど、何だかんだ言って、ボクの事考えて一番に行動してくれる。


「ありがとうクリス」


ボクは、サマンサが起こす事をいろいろ予想して、対策する事にした。

クリスには、ボクの服を持って来てもらう事にした。


「クリス屋敷にまだボクの服あるなら持って来てくれる。できるだけ汚いほうがいいかな」


「わかりました。すぐにお持ちします」


バタン


クリスが出て行くとボクはサマンサの撃退作戦を開始したのです。


☆一番に考えないといけないのは、絶対小屋に入らせてはいけない!


だからボクはその事を重点に考えた。


①小屋に入らせない悪臭作戦… 小屋の回りに前もって掘ってあった穴に排泄物を入れて蓋をして、来る前に蓋を取って悪臭を放つ作戦


②身体弱々病気移すぞ作戦… 身体の表面に庭の木の実を絞ったら、藍の液になった。

これを身体に塗ると皮膚が腐ったような色になったので、変な病気もってるような感じになったので、病気移すぞ作戦


③イライラ諦め作戦… 耳に詰め物をして聞こえにくくして、何度も聞き返してイライラさせるイライラプッツン作戦



絶対サマンサは、絶対小屋に入らせない!

一応野菜とか作ってる薬草は、わたりにくく前に庭師の道具とか積み上げたから、入らなければわからないはず…


この作戦で阻止するのです!


その頃サマンサは、メイドのマリを呼びつけ問いただす。


「マリ!来なさい!最近ユラは外には出てないしょうね?」


「わかりません!お身体弱ってますから無理だと思いますが、でもご主人様が、ユラ様は鍛練以外なら自由にしていいと、おっしゃられてたので、気にしてなかったですが…」


サマンサは、それを聞いて反論する


「私は許しません!それよりユラはほんとうに出かけてないのですね?」


マリは頷く


「直接お確かめになりますか?あの小屋かなり汚いですが…

よろしいですか?

それにユラ様の顔色もだいぶ悪いですし…一度見れば納得なさると思いますが…」


マリは、クリスに合図を送りユラにサマンサ様の接近を知らせてもらった。


ボクは、クリスからサマンサが小屋に向かってると教えてもらい汚した服に着替え身体に液体を塗り耳に詰め物をして、外の蓋を外した


「うわーくっさ!動物の排泄物もいれてるからめちゃくちゃ臭い、我慢しなきゃ」


液体塗ったらマジヤバい病気持ってるみたいだ…

準備出来たし来い!サマンサ


暫くするとサマンサがマリの先導で小屋に近づいてきた。


「な・何なのこのひどい臭いは!臭くてたまらないわ!」


「サマンサ様もう少しで小屋につきますがどうされますか?」


「これ以上は、臭くて近寄れないからユラをここまで連れて来なさい!」


マリは頷く


「わかりました」


コンコン


「ユラ様マリです。上手く行きましたよ。

サマンサ様は離れたところで待ってるから、連れてくるようにと言われました」


ボクは思わずガッツポーズをした。



「よし!作戦成功だぁ!次病気弱々やるのです」


ボクが近づくと、サマンサは汚ならしい者を見るように、離れた所から話してくる


「ユラ!あなたはどうやって第一王女エレン様や第二王女グレープ様と知り合ったのですか!答えなさい!」


「……………」


「ユラきこえてるのですか?」


ボクはわざとぼーっとする


「………………」


「ユラ!いい加減になさい!」


マリがサポートしてくれるふりをする


「ユラ様聞こえてますか?え?何ですか?もっとハッキリしゃべらないとわかりません」


その様子を見てサマンサは、もういいと言って、かなりイラついてる様子だった


「何なのあの汚ならしい姿は!近寄りたくないわ!この場所もひどい臭いだし、もういいわ私は戻りますからあなたは必ずこの魔道具をユラの足に着けなさい」


マリは、サマンサの持ってる足枷の魔道具に驚き尋ねる


「サマンサ様!これは何ですか?かなり重いですが?」


サマンサはユラを睨み付けながらマリに説明する


「ユラの今の体力なら、この魔道具ならおそらく動けないでしょう。

1個4キロありますからフフフ

それに振動を与えると、当たってる部分から針が出る仕組みになってます。

よく奴隷に使われる魔道具よ」


マリは、サマンサの魔道具の説明に驚き、魔道具を使うのをやめて貰うように懇願する


「そんな… 酷すぎます!どうかお考えなおしてください」


サマンサは、王家パーティーで恥をかいた事に怒り心頭で、マリに捲し立てる


「ふん!あの者は私達を王城で恥をかかせたのよ!ゆるされないわ!さっさと取り付けなさい!命令です!」


なんてひどい事を…


「わかりました… 」


ボクは小さな声でマリに話す


「マリ…ボクノコト キニシナイデ」


ガチャン

ガチャン


サマンサは、魔道具がユラに装着された事を確認すると、マリに周りの悪臭の処理をするように指示する


「ふん!これで簡単に外に出れないでしょう。マリ私は戻るから、この臭い何とかしてから戻りなさい!」


マリは、頷くとクリスの補佐をお願いする


「わかりました、クリスに手伝ってもらってよろしいでしょうか?」


サマンサは、ユラに魔道具が装着された事に満足してるのか、普段なら許可しないはずなのに許可する


「いいわよ、ただし必ずその臭いを処理してから戻ることわかったわね」


「はい!ありがとうございます」


「戻ったらクリスには伝えておきます」


サマンサは指示が済むと、すごい勢いで帰って行った。


「マリ上手く行ったね。これでまたいろいろと安心して作れるね。作戦成功なのです!」


マリは心配してユラに話しかける


「あのユラ様、そんなの着いてるのに大丈夫なのですか?ほんとユラ様は前向きですね」


ボクはマリに心配させないように話す


「ふふん~♪ボクは何で気にしないのでしょうか?」


「わかりません、私はユラ様が心配で仕方ないのに何故そんなに明るく振る舞えるのですか」


ボクは正直に今の気持ちを話す


「だってこれでサマンサが干渉してこないんだよ。食事対策だけやれば問題ないんだから楽なのです。重り魔道具も4キロだし問題ないのです!」


マリは足に装着してる魔道具をさして怒る


「でも歩いたら振動で針がでますよ!すぐに針が戻るかわからないのに、どうするつもりですか!私はほんとに心配してるのです!」


「ごめんなさい、マリ安心させてやるから見てて、えい!」


ボクは逆立ちして歩いて見せた。


「えーー!ユラ様そんな事できるのですか!すごい!すごい!」


体力のないボクが片方4kg両方で8kgはっきり言ってかなり苦しい…

でも安心させるために楽そうにして見せる


「アハハ8キロなら何とかなるよ、安心した?」


「はい!」


「マリこのまま小屋に来てこの前作ったモロコシ食べて見て、クリスも来るみたいだから一緒に食べて感想聞かせて」


「はい!楽しみです」





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