混ぜるな危険童話

@HasumiChouji

(1)

「鏡よ鏡、鏡さん。私の大事な世界一美しい娘、白雪姫を私から奪い取る可能性が高い男は誰?」

「はい、隣国の○○王子です」

 それを聞いた女王様は、醜い妖婆に変身して、毒リンゴを入れた籠を片手に、その王子様が住む城に向かいました。

 そして、数日後、王子様が住む城に辿り着きましたが、その時には夜になっていました。

 そこで、妖婆(実は女王様)は城の門番に一夜だけ泊めてくれるように頼みました。

 門番は城の主である王子様に、一応は報告しましたが、王子様は当然、追い返すように命令しました。

 もちろん、魔法に詳しくない王子様には知るよしも有りませんでしたが、この時、王子様は自分で「呪い」の発動条件を満たしてしまったのです。

 女王様は、愛しい自分の娘(別の何かを意味する婉曲表現の可能性あり)である白雪姫と末永く幸せに暮しました。

 そして、王子様は、およそ100年の間……ベルと云う賢く心優しい娘が王子様の前に現わるまで、醜い野獣の姿のままでした。

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