第58話
「……先輩、これはなんですか?」
正座をさせられた俺を蛍がものすごいジト目で見てくる、ちょっと怖い。
「……えーと、エロ本ですね」
以前、本棚の裏に隠してあったのを蛍が見つけたので隠し場所を変えたのに……なんでわかるんだ?俺に気付かれずに尾行もしてたし……蛍は探偵の才能があるんじゃないかなと思う。
「……先輩はこういう女性がお好みなんですね?この女性目当てで購入されたんですか?」
そう言ってパラパラと中身を見せてくる。
「はは、蛍は知らないだろうけどこういう本は中身が見れないように販売されてるから……」
「……そうですか、先輩は表紙のこの女性がお好みなんですか……やっぱりお胸が大きい方が良いんですね……」
そう言って表紙を俺に突きつけてくる。うっ、墓穴を掘ったか。
「……男の人がこういう本を見てどういうことをするかって……何となくは知ってます。でも私は先輩には他の女の人を思ってそういうことをして欲しくないんです……これって私の我が儘ですか?」
蛍が本当に悲しそうに言うので俺も反省した。そうだよな……俺も蛍が他の男の写真を見ていたら嫉妬するだろう。
「……ごめん、蛍。俺が間違っていた」
全て処分してこれからはこいいうものを手にしないと蛍に誓う。
「……先輩、では指切りしましょう」
そんな可愛いことを言うので小指を差し出すと蛍も小指を絡めてきて
「指切げんまん、浮気したら針千本呑ーます」
あれ?蛍が浮気したらとか言ってた気がするが俺の聞き間違えだろうか?まぁ、浮気しないので問題はないが……でも一つだけ条件があると蛍に交渉する。
「……全て処分する……でも、一つだけお願いがあるんだが……」
正座をしたまま頭を下げる……いわゆる土下座だ。
「海に行った時のあの水着姿の写真を撮らせてください!」
水着姿の蛍の写真が欲しい、それがあれば俺は一生戦えるとお願いした。
蛍は最初は恥ずかしがっていたが……最終的に「他の誰にも見せないなら」って許可をくれた。
すぐにでも欲しいと言ったのだが「……少し準備するお時間をください」と言う。ダイエットとか必要ないのに……でも撮影会楽しみだ。
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