第2話

 青年は田舎領の七男・・・・・

多くの兄弟姉妹がいる・・・・


 嘘つきで本心を見せず・・・・

ただ楽をしたがり・・・・


 故からか身は歪み・・・・・

最悪者と身内から言われ・・・・・


 そして成人後・・・・


 優秀な身内勇者と親交深き身内に・・・・

金を渡され・・・・・・


 裕福に生きる日々・・・・・

身内からも・・・・


 他人からも羨ましいと・・・・・

何故優遇されるのだと・・・・


 そんなある日・・・・・


 広くない部屋・・・・

固いベット・・・・


 愛用の人形・・・・

黒髪は長くすらりとした・・・・


 人族そっくりの人形・・・・

椅子に座り何故か仮面が・・・・・


 服装は冒険者・・・・・


 日差しは明るく差し込み・・・・

「くくくくく」


 主人公は目を開け嗤う・・・・

短い髪・・・・


 美しい顔つき・・・・

均整の取れたからだ・・・・・


 少し小柄で美しく・・・・

歪を念術で補正している内に・・・・


 つくりかえてしまえばいいと・・・・

何度も何度もつくりかえ・・・・


 どうでもいいと気がついたのは最近・・・・

魅せる相手など居ないのだからと・・・・


  念術を使える者ならできても何もおかしくはない・・・

部屋の掃除も念術・・・・・


 「生きていてよかった」

「此れなら」


 主人公は起き上がり・・・・

白い長袖の服・・・・・


 右手を人形に掲げ・・・・


 どろりと右腕が溶ける・・・・・

べちゃりと落ちる・・・・・


 長袖がだらりと・・・・・


 落ちたソレハ・・・・・

すすすと滑り・・・・


 人形の後ろに回り込むと・・・・・

上半身だけの影に変化し・・・


 腕をしゅるしゅと伸ばし・・・・

人形の腕を掴み・・・・・


 服が破れていく・・・・

突然椅子を砕かれ・・・・


 影の腕は縮み・・・・

人形が影の胴にズブリズブリと・・・・


 影に飲み込まれる人形・・・・・

さらさらと美しく髪が流れ・・・・・


 仮面にひびが入り・・・・・

主人公の右手が仮面に触れる・・・・・


 念術で生やした・・・・・

影も念術の産物・・・・


 椅子が砕けたのも影の念術によるもの・・・・


 仮面が砕け散り・・・・

美しい顔白い肌は輝くように・・・・・


 若く凛々しく無表情に・・・・・

「此の力があれば手に入る」

「マガイモノなどではなく」


 主人公は人形から目を背け・・・・・

自分の手を見つめ・・・・・


 悲しむ声が・・・・・

「もういらないのですね?」


 取り込まれ既に大半が影に・・・・・

声こそ悲しいが無表情に・・・・


 主人公は人形を見つめ・・・・

「そんなことはない」

「ふやしてくれ俺の為に」


 「俺と彼女との来る巣荒らし忌避の為に」


 「・・・・・・・・」

「はい」


 人形は飲み込まれる瞬間ただ無表情に・・・・

こたえる・・・・・


 主人公は嗤い・・・・


 影はスライムの様に成り・・・・

主人公の影に飛び込み融合する・・・

 


 主人公はマントを身につけ・・・・

部屋の外に・・・・・


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