火野佑亮

怠惰と忘却

「何故こうなっちまった」

という問に僕は依存する

遠く霞んで見えない過去に

性懲りもなく縋りつく


「誰かのせいにしてしまいたい」

なんて考えているうちは

その「誰か」からは自由になれない

そんな事実からも目を伏せて


「何もする気が起こらねえ」

なんて言っているうちは

「この世から逃げ出してえ」

という本音からは自由になれない


いやもう「逃げ出す」ことからさえも逃げ出したい

とにかく全てが億劫なんだ

このまま全て忘れ去って

ゴキブリのように夜の隅を這いずり回っていたい


あの退屈そうな曇天に

何も考えていない人波に

僕は紛れ込んでしまいたい

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