僕は、この先も、ずっと
剛田 雅哉
物心
物心、と言われると鮮明に思い出す。
物心、と一緒に、ひいばあちゃんが入院してる病院に行ったことを。
「たっくん、おいで。ひいばあちゃんと、ななちゃんと一緒に寝んねしよう?」
「嫌だよ、もう赤ちゃんじゃないよ。ななことだけ寝てよ」
少しばかりの恥ずかしさ、少しばかりの意地、少しばかりの背伸び。
もっと甘えれば良かった。
こんなに肌が白くなるなんて知らなかったんだ、指が冷たく硬くなんて想像もできなかったんだ。
ねえ、もう遅いかな?ダメかな?
僕も一緒に寝んねしていい?
今更だって分かってるよ。
でもね、だけどね、やっぱりね。
大好きだよ。
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