【短編】幸せの時間

「馬鹿に馬鹿にされることほど馬鹿馬鹿しいこともない」


そうやって馬鹿にしたように私を笑う貴方が

まんざらでもなさそうな顔をしているのは気のせいかい?


「馬鹿に馬鹿にされる馬鹿もいるってことでしょ?」


そう返してみたけど貴方は軽く笑うだけだった



そんなどうでもいい会話

そんなくだらない時間

それをたまらなく愛おしいと思ってしまうのは

それをたまらなく幸せだと思ってしまうのは



「惚れた弱みというやつですか?」


「それはどっちのことを言っているんだい?」


「さあ?」


「馬鹿に馬鹿にされることほど馬鹿馬鹿しいこともないな」


「そうだね」

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