Dice-09:対戦相手は/明確に
とか何とか思うほどのないことを思っていたら。
<じゃじゃんと!! 抽選結果が出たようですね……それでは『第一局』の組み合わせを大大!! 大発表いたしますよぉぉぉぉぉッ!!>
主催者のそんな高揚気味の声が。やはり最初期の緊張はどこへやら、実に滑らかだ。いや、まあそれならそれで別に問題は無いのだが。
それよりも「組み合わせ」だ。これものたまう通りの「ランダム」であるのなら、まあ運以外の何ものも入り込む隙は無さそうなのだが。
<【091:774300】VS【154:644322】
【004:984000】VS【147:654420】
【122:744420】VS【143:655410】
………………>
正面のスクリーンには、そんな数字の羅列がずらずらと表示されていくが。見た感じ、その組み合わせ自体には作為は見られない。いや、「作為」とか言ってもあからさまに過ぎる偏りとかがあったら、くらいの認識なので、周到にやられていたら、それは分かりようもないのだけれど、まあともかくばらけてるように思える。
いやいや、それよりも。
自分の数字を探さないと。アオナギのもついでに。未だすべてが「運」だろうとの憶測レベルの把握しか出来てはいないが、現状の把握は何より大事だ。勝ちへ繋がる何物かの認識は尖らせておいた方が良さそうだから。
<……………………
【169:544422】VS【139:664221】
……………………
【159:555411】VS【068:855300】
……………………>
あったあった。アオナギは比較的近い数字ばらつきの相手と、僕は割と離れた数字の「防御タイプ」と(名札はまた交換を行い、当初配布された通りに戻した)。
僕【068】でちょっと頭の中でシミュレートしてみる。相手の3つの【5】は、こちらの【8・5・5】が出れば抑えられる。【8】なら逆に3から7までの「勝ち」が見込めるわけか……反面、【0】【0】なんていう最低の出目の間に【5】を重ねられたら、あっさりそこで負けになるという危うさも有している……
うーん、考えても無駄、的な思考にうずもれていってるかのようで、よう把握は出来てない。
<それでは休憩『20分』を挟みッ!! 午後7時ちょうどから『第一局』を行いますゆえ、皆さま、必ずこの
出たな、小出しに後からのいやなルール。とは言え、
「この『休憩』……『交渉タイム』と見てまず間違いねえな……にしても対局者を全表示とするならば、そこに何かしらの考える余地があるってことか? いや分からねえ……全然意図を掴ませてくんねえな、あの主催者は……」
アオナギのそれに対する言葉もキレが悪い。しょうがない、この場は静観といくしかないのか……? 暖色の光が満ちるホールの全体を俯瞰するように見据えてみる。
まだ独りっぽい感じなのは、全体の約三分の一。50人くらいか。それよりそれ以外の輩は、皆何らかの「グループ化」を進めていることに衝撃。やはり……「組む」ということはそれなりのアドバンテージがあるものなのだろうか。
如何せん、掴めぬ状態のまま、初戦に駆り出されるわけだが、何か、何かしらは本当に無いのだろうか。
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