第22話
「あ、ねえちょっと!!
そこの双子を連れたプレイヤーさん!!
少し話が…。」
職業斡旋所を出てしばらく道を歩いていると
前から来たプレイヤーに呼ばれた。
ええい、またか
「…。」
<固有スキル>無視を発動した!!
「ちょっと、どこ行くの?」
プレイヤーの側面を通り過ぎようとしたが失敗した。
ならば、
私は腰に佩いていたナイフを素早く抜くと声をかけてきたプレイヤーの前に突き付けた。
「『拘束の呪い』。」
ナイフをプレイヤーに向けながら呪文を唱えると、
刃先から黒い縄が飛び出しプレイヤーをひとりでに縛りつけた!!
「うわ!?なんだこれ!?」
身体に巻き付いた縄をほどくのに必死なプレイヤーの横を通り抜けて
私と双子は連れ立ってその場を後にした。
いやはや、なんか最近声をかけられることが多い。
「ゔぁー。」
横を見るとアンが大きく伸びをしていた。
まあ、原因は十中八九
いつもの原っぱのフィールドで、プレイヤーに追いかけられていないことを
確認して私たちは一息ついていた。
「いささか君たちは目立ちすぎるんだよ。」
「ゔぉ…?」
ウンが不思議そうにこちらを見つめてくるのでそっと頭をなでてあげる。
双子、人を惹きつけるような整った顔立ち、プレイヤーにしては幼すぎる容姿
今まで声をかけられなかったことが不思議なぐらいである。
ただ、街に入るときに双子を消そうとすると
すごい寂しそうな顔をするから消せないしな~。
まあ、大概のプレイヤーは新しく使えるようになった
『拘束の呪い』で何とかなっているので問題はないけども
『古代のナイフ』
はるか以前に滅んだ文明で使われていたとされるナイフ。
この前フッカたちと引いたガチャガチャの景品で出てきたナイフを装備したところ、
私の才能に
このゲームでいわゆる「魔法使い」をする方法には魔法と奇跡と
フッカ曰く、
三種類も似て非なる才能があるのはこのゲーム世界の根幹に関わるものだろうと考察班が動いているそうだ。
私が双子を召喚するときに少しダメージを負うので死霊術もきっと
私が使えるようになった
その中でも『拘束の呪い』は消費する体力も僅かで相手の動きをほぼ確実に抑えられるため
戦闘の幅が広がり重宝している。
まあ、
そのためにもドウの街へ行く旅費を稼がないといけない。
幸いにも今度モノの街で何かしらのイベントが開かれるらしい。
フッカ情報ではあるがそうしたイベントでは珍しいアイテムやお金を手に入れるチャンスらしいので参加してみることにしよう。
全てはモフモフのため、手段は選ばない。
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