夢の中
春嵐
第1話
生き切ることができなかった。
すべての選択肢、全ての行動。そのどこかに、必ず後悔がある。
人生を完遂できなかった苦しみ。望む道を選択できなかった悔しさ。
「違うな」
望む道を選択できなかったわけではない。それこそ、今からすぐ望む道そのものを変えることだってできる。しかし、それを変えない。
原因は、いつだって自分。
戦うべきところで逃げ、逃げなければならないところで踏みとどまってしまった。
「いつだって悔いの残る」
悔いの残る、人生。生き切れなかったがゆえの、平凡な日常。
そして、これからの変化も望まない、自分。
生き切れなかったからといって、生き方を変えるわけではない。
かといって、現状の自分を受け入れて肯定するわけでもない。
自分を、自分の選択を、人生そのものを、否定し続ける人生。それが私。
「さて」
そろそろ夢が覚める。
生き切れない人生を、今日も生きよう。理由などいらない。生への執着も必要ない。ただ、つまらない人生をつまらないと、言えるだけの人生を。
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