【犯人当て】ダンベル100キロ持てる?~筋肉館の殺人~
鴉乃雪人
~犯人当てを読む前に~
注:以下の情報は犯人を特定することに直接の関わりは無い。
ボディビル界ではステロイドをはじめとする筋肉増強剤を用いたドーピングの問題が根強く存在している。ボディビルにおいて、ドーピングをしていない人間を「ナチュラル」、ドーピングをしている(と疑われている)人物を「ユーザー」という。
世界で最も権威あるボディビルの団体はIFBBというアメリカの組織であり、ボディビルでプロ選手になることは基本的にこのIFBBのプロリーグに進出することを意味するのだが、IFBBは表向きはアンチドーピングをうたってはいるがドーピング検査は行われておらず、暗黙の了解として「ドーピングOK」な団体である。故にIFBBのプロ選手は例外なく全員「ユーザー」であると言っても過言ではなく、「ナチュラル」でプロになることは事実上不可能である。
また、日本で一番有名なボディビル団体はJBBFという団体なのだが、この団体は厳格なドーピング検査を行っており、「ナチュラル」主体の団体であると言える(正確にはJBBFにもユーザーが紛れていると言われているが、そこを話すと長いので割愛)。
女性に限って言えば、男性ほど筋肉量を求められる部門が少ないため、日本人でユーザーの女性はほぼいないと言っても良いだろう。
JBBFの大会で「日本一」のボディビルダーに輝いたとしても、IFFBのプロにはなれず、IFFBプロになるにはJBBF以外の団体の大会に出場してプロカード獲得を目指す必要がある。
故に、日本で有名なボディビルダーはアマチュア(JBBF)とプロ(IFFB)の二つに大別され、アマチュアよりプロの方が凄い、という単純な図式は成立しない。ドーピングを前提とするか否かで、ほとんど別の競技になっているとさえ言えるからだ。
しかし、この事を知らなければ、一般人から見て「ナチュラル」と「ユーザー」の違いは分からず、一緒くたに評価されることがしばしばある。また、「ユーザー」がいわゆるインフルエンサーになることも多く、自身の肉体はドーピングによる所が大きかったとしても、それを公言せずに「適切な筋トレと食事、サプリメントでこの身体を作れる!」といった風に自身や商品を宣伝するため、しばし問題視される。
繰り返すが、以上の情報は犯人を特定することに直接の関わりは無い。
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