クモとの戦い(日常)

 朝、お化粧をしていたら鏡越しに映った白壁に黒い点が。はっ!…と振り返ると小さなクモが歩いてる。これは早急に対処せねばならない。出勤時間が迫る中、手早く慌てず。なにより見失わないように。


 まずハンガーを手に取った。ここに飛び移らせて放ちたい。でも警戒してか全然乗ってくれない。天井のほうに逃げてしまって、一度離脱。支度をしながら様子をみると、ベランダの方にトコトコ移動してくる。これはチャンスと思い、クイックルワイパーを向けるが失敗。


 つぎに綿わたがついた掃除用具を掴む。このフワフワでからめとってベランダにポイしよう。

「ほら、おいで、フワフワだよ~。おいでってば、時間ないんだからおいで」

 と、独りでしゃべりながらクモの前にフワフワを当てる。なかなか乗ってこない。


 すると突然、カーテンにとび移るクモ。クモって急に跳ぶよね。ヒダの中に入られたりでもしたら見失う。カーテンをざーっと広げる。上下に跳ぶクモ。


 頼む床に落ちないでくれ、床に着地されると高速で移動して棚の下にいっちゃうだろ。でも怖がらせてごめんよ、外にでてほしいだけなんだ。とフワフワをあてる私。


 すくうように撫でるとやっと飛びついてくれて、無事ベランダに放てました。

 こんな攻防をなぜか朝の忙しい時間帯にばかり繰り返す秋。(これ秋に書いてる)

 

 クモってさ、かわいらしいとは思うんだ。でもいきなり跳んだり、糸でツラーっとぶらさがったりするじゃん。あれ苦手。

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