第3話 明日の打ち合わせ

あの後 けっこう時間がかかり7時頃に一ノ瀬は教室を後にした。

それもこれも副部長が言ってくる

『この最初のご飯の味が新入生達がしっかりやっていけるかどうかなんだからね。』

とかなり念をおしてくるから中々に帰りずらく結局下校時間ギリギリまで残ったしまった。

副部長がこれだけ言ってくるには訳がある。

今では2人しか2年はいないが実は本当は5人だったのだ。

暗い廊下を歩きながら思い出す。

廊下は誰も他にいないからか一ノ瀬の足音がよく響いていた。

あの時もこんな風に暗闇をさまゆっていた記憶がある。

今でもやっぱり鮮明に思いだせる。

あの地獄の上原パスタを。


確か1年前も新入生に料理を振る舞う事をしており、ダンジョン内でどう調理するのか。

それを教えるにはやっぱり実践経験だろと言うことで実施された事だった。


その時副部長は調理担当であり、

『ダンジョンに入っていればこんな美人の旨い飯をくえるよ。』

的な事を言っていた。

確かに副部長はなんと言うか、女性にモテそうな凛々しい感じだった。

なんの根拠もなく一ノ瀬含めた全員は上原カスミが料理ができるんだと思っていた。

いや、だってあんなに自信たっぷりに言ってくるんだよ。

まさかあんな地獄を作るとはおもわないじゃん。

そもそも副部長はパスタを作った事がなくインスタント見たいにお湯にいれておけば出来上がると考えていた。

確かにそれは間違いではないが何を思ったか沸騰する前にパスタをいれ始めたのだ。

それによりパスタは必要以上にふやけてしまいパスタの原型を留めてはいなかった。

しかも沸騰してお湯が少なくなったからと途中で水を鍋にいれ始めた為に冷たくてべちゃべちゃパスタが出来上がってしまった。

それでどうなったか。

結果だけを教えたいと思う。

いくらミートソースなどで誤魔化しがきくからと言ってあの見た目、あの食感。

何人か本当に吐いてしまい、次の日部活に来たのは一ノ瀬と同じくクラスの田村だけになっていた。

別に俺らもあのゲロパスタをおいしいとは思ってはいないし、毎回ダンジョンいく度にあれを食わされると考えると普通にしんどかった。

しかし一ノ瀬には止めれない理由があった。

そんな訳で地獄のダンジョンに残ることになった。

しかし、さすがに副部長が調理担当だけはやめて欲しく、毒桜先生と部活内で話し合った結果何故か自分になってしまった。

田村も部長も料理をした事がないと言っており、多少している程度の自分が選ばれた訳だ。泣きたい。


そんなパスタの戦犯と考えた明日のメニューはチーズリゾットであった。

一ノ瀬の得意料理だったし、副部長からもいいと許可を貰いそのメニューに決まった。

リゾットに使う米は部長が準備してくれるらしい。後で副部長がラインで伝えてくれるらしい。

なら明日の買い出しは具材だけで十分になるかもしれないな。

一ノ瀬はそんなことを考えながら

ゆっくりと歩いていった


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