第1話新入部員歓迎会アンド説明会
春 始まりの季節。
様々な生き物が活発に活動始める命咲き乱れる生命の季節。
そんな中 仮初高校のある部活でも新入部員にふさわしい行事がおこなわれていました。
その教室は職員室のすぐ横にあり、一番先生方が通る場所だ。
その場所は視聴覚室と呼ばれており、名前の通りに映像の機材に窓には黒いカーテンと映像を観るためものが揃っている。
しかし、頻繁に使われる訳じゃないこの教室はよく放課後部活動で使われていた。
そんなよく使う部活の1つのダンジョン部は、無駄に黒いカーテンを閉めていた。
映像をみるわけでもなく、ただ暗くしている。
そんなよく分からない状況に、一番前の席に横一列で座っている新入生3人はただただ困惑の表情を浮かべていた。
やがて新入生の視線は一番前の教卓に立っている一ノ
後ろにある黒板に何か書くわけでもなく、その隣にあるテレビを点けるわけでもなく俺は教卓の上で手を組んでいた。
そして手を組んだまま
「それでは左から自己紹介を初めてください」
俺はなるべく低い声で言ったつもりだったが真ん中の席のツインテールの子は一ノ瀬を見てニヤニヤしていた。
暗くても口元が歪んでいるのがよく分かった。
くそ。こっちだって恥ずかしいだ。と心の中でニヤニヤしている少女に反論をした。
「
と一番最初にはっきりとした声で自己紹介がはじまった。
暗闇でよく見えないが髪はショートカットになっており、色は多分赤色だと思う。
背は新入生の中では一番高いだろう。
そして自己紹介を終わった彼女は席に座っていた。
「
とツインテールの女子生徒が自己紹介をした。髪は黒く、結ばれた2本髪は彼女の肩位におさまっていた。
身体は夢見ほどではないけど、女子生徒の中では高いほうだと思う。
顔はおっとりとした感じがする顔つきだった。
まぁこいつについては初対面ではないんだが。
周りをキョロキョロと探しているが彼女のお目当ての人は見つからなかったらしい。
当たり前だ。
あの怠け部長は全ての仕事を押し付けて帰りやがった。
あの怠け部長がやけにふざけた説明会を開こうとしていたのは知っていた。
でも部長であるそいつがやる事になるんだから、気にする必要はないと考えていた。
まさか、当日サボるとは考えてもいなかった。
どうやら自己紹介は終わったらしい。
最後に一番右の髪が長い少女が岬が座ったのを見て椅子から立ち上がった。
「
髪は恐らく新入生で一番長く、身長はかなり低い方だとはおもう。
見た目は一言で言えばクールビューティーって感じ。
目だけで人が殺せるくらいに冷たい目をしていた。
自己紹介を終えた生身はゆっくりと席に座っていた。
新入生全員の自己紹介が終わったようだ。
自分の名前だけを言ったりするものやどうしてこの部活に入りたいと思ったのかしっかり言うものもいて様々だった。
今年は、3人だったがまぁまぁいい数だろう。
今この部活に部長、副部長の自分と2人しかいないため今年集まらなかったら廃部が決まっていた。
だから、3人と人数は少ないが集まってたのは本当に良かった。
え? 部長と副部長しかいないなら3人は多いほうだろって?
それは新入生部員を大量に辞めさせたゲロパスタ事件関係している為、その話は今度にしたいと思う。
そんな自分も一年前に体験した光景を一ノ瀬は懐かしく思っていた。
みんなあんなにはっきりと話せるな。
俺なんか始めて会うみんなの前で自己紹介だったから全く話せなかったぞ。
そんな散々な自分の自己紹介に比べたら今年の新入部員はよく出来ている方だろう。
なんで人は新しいものが始まる時見ているだけなのにこんなに緊張するんだろう。
やっぱりこのなんとも言えない新入部員達の空気が伝わってくるからだろうか。
そんな風に、自分の昔を懐かしんでいると一番右の席の生身がピンと右腕を挙げて
「なんでカーテンが閉めてるですか」
とまったく意味のない暗闇の当然の疑問をあげてきた。
暗闇に慣れて来ていたから忘れていた。
「あ、どうぞ」
と台本には書いていないセリフが飛んできた為に、反応がたどたどしいものになってしまった。
そんな一ノ瀬を気にすることはなく生身は一番右側にある窓のカーテンを開け始めた。
一番前の方から開けるためまず自分に光が当てられた。
「私も やるっす! 」
「じゃあ、私もやるかな」
2人はほぼ同時に席を立ち、
ピアノがある後ろ側に早足で向かって行った。
そして、前から後ろとどんどん光が闇を塗りつぶしいく。
「暖かいっす~」
と岬は入ってくる日光に目を細くしながら春の陽気を楽しんでいた。
カーテンを閉めていたから気がつかなかったが外では校舎の周りを運動部が走っている姿が見えた。
「ほら、2人共。席に戻るよ」
目的を達成してもう窓辺にいる必要がなくなった生身が岬と夢見を後ろから自分達の席まで引っ張っていった。
「え~! 今面白い人が見えたのに」
「ちょ、痛い! 机にぶつかって痛いよ。生身ちゃん。」
抵抗する2人をずるずると前の方に引っ張る生身。
体は小さいがとんでもない力の持つ生身に一ノ瀬は驚いていた。
自分より背の高い2人を後ろの方から自分達の席まで引っ張ってくるなんて。
普通に感心して、生身を見てみるとなぜか風があるわけじゃないのに髪がゆらゆらと動いていた。
すると、俺の視線に気がついたのか生身は髪が見えないように体の向きを変えていた。
別に大した事じゃないのに見すぎたかな。
そんな事を思っているとどうやら席に着いたらしく、3人共席に座っていた。
そんな3人の視線は一ノ瀬の方に向いていた。
俺の番って事か。
「え~っと。2年2組 一ノ瀬 鉛って言います。本当は、部長が進めるんですがどうやら来ていないようなので副部長の自分が進めていきたいとおもいます。」
と軽く自己紹介と共に今部長は来ていないことを説明した。
「え~! 来てないっすか! 」
「てか、さっきと話し方違くない?」
と様々な疑問や不満がでているが無視して進めていく。
一番大事な事を今から教えるためしっかりと頭で考えてから話す。
「これからいろんな事を教えていくつもりだが一番最初に教える事がある! 」
どうやらまた話し方が変わってしまったがまぁ迫力はこっちの方が出るし問題ないだろう。
「勘違いされやすいがダンジョン部はゴールに行くまでの速さを競うスポーツではないと言っておきたい。ダンジョン部とはどれだけ指示されたルート正しく認識しているか。
どれだけリスクを回避しているかなど決められた事を行っていくスポーツだと言うことをまずは覚えてほしい」
そして俺は先生から渡されていた紙を手に取り会話を続ける
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