第26話 ようやっと肩の辺りね
「おはよう、時雨ちゃん。」
「あ、ここに居たんだ。はい、プレゼント。今日はちょっと変わったのにしたのよ?」
「はい、あーん。どう?美味しい?」
日に日に酷くなる、ゼルディアからの
今まで体感した事も体験した事もないそれが少しだけ怖くて、城の中庭でゆったりと欠伸をしていたリエルの元へ逃げ込む。
「リエル!」
『あれ、時雨ちゃんじゃない。どうしたの?ゼルディアの寵愛、受けなくて良いの?』
「それが、それが問題なんだ。あいつ、過剰過ぎないか?」
『そう?あの子が気になった物と言うか、気に入った物にはいつもああよ?』
いつも!!?
「……少し、怖い。」
『最初はそうかもしれないわね。私に相談してきたの、貴方だけじゃないもの。……でも、あの子にとってはあれ以外に愛情表現の方法を知らないのよ。奉公して、プレゼントして、抱擁して、時には一緒に寝て、毎日“愛してる”って呟いて。』
「で、でも……。」
「『楽になりたいんでしょう?』」
「!」
「もー逃げないでよ時雨ちゃん。」
「ぜ、ゼルディア……。」
「貴方、私に言ったじゃない。楽になりたい、って。ぜぇんぶ私に預けてくれて良いのよ?貴方が嫌いな所も、貴方が好きな所も、貴方が隠しているかもしれない事も、全部受け入れてあげる。」
すっ、と手を差し出され
「他に望む物があるなら何でも望みなさいな。変えてほしい物があるなら何でも言いなさいな。私は、貴方の全てを受け入れる。だから、何を言っても大丈夫なのよ?」
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