右斜め45°の斜向かいから左に36.6°

第1話 前置き

蛇口をひねるとプラスチックの宝石がゴロゴロ流れて、シンクに溜まった。コップにしがみつく多角形。気流に乗り損ねた愉しさは落雷と手を繋いで波打つ。直径5センチのミラーボールを飲み干して、ライトに集る折り鶴を密猟する。


決して泣き止まない君の幻想。

溢れるのはいつも一瞬の光の束。


君が帰ってくる前にこの濁流の根を止めよう。

それにしたってなんて恐ろしい君の言葉たち。


読むたび撃ち抜かれるその集合体の正体は


『右斜め45°の斜向かいから左に36.6°』

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