共感と油
甕いっぱいにたまった 冷たい油
誰かが代わりに泣いてくれると 油は持ち去られる
誰かが代わりに怒ってくれると 油は持ち去られ 轟轟燃える
誰も油を持ち去らず 燃やさなければ
油は甕をあふれ出し やがて家をも燃やすだろう
蓋で 留められるのはわずかな時間
いっそ油を捨ててしまうか 正しい時に正しく用いて
暗闇を照らすかするしかない
正しい時を逸した油は 悲しみのまま 溜まり続ける
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