わたしの近所の春夏秋冬
「春」
花見に行こうと誘われる
近所の公園 市場の近く それから家の前の道路
名所ほどではないけれど
いたるところに 桜の雨
卒業生も入学生も 桃色の門をくぐるだろう
「梅雨」
雨だれを送る 葉桜のすきま
太い芋虫が落ちる
ぎゃっと飛びのく
さされると 水風船のように腫れるらしい
「夏」
塩素水のにおい プールに走る子どもの笑い声
水を飲む 顔を上げる
少しくすんで どの季節より見上げる空
蝉しぐれが 自動車に 切り裂かれる
「秋」
影は緑 見上げると衣替えの紅葉
図書館から帰る道は 滑りやすい石畳
昼から早送りに夜が来る
チェーン店のコーヒー一杯が ちょっとした贅沢
「冬」
見上げるオリオン
運動帰りの夜に 大晦日の
進路相談の帰りにだって いつでもこちらを見下ろしている
空にベテルギウスを見つけるとき
「ああ冬だ」と実感する
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます