日記に残っていた俳句と思い出

1. 五月晴れ 城壁の堀に 花流る

2. 堀の角 ツツジ流れて 風青し


家の近くの公園には、お堀がある。

散歩中、公園のベンチに腰掛けるとお堀が広く見渡せる。

濃い紫と緑の中間が、お堀の色だ。

時々、魚が白石を背景に跳ぶ。時々、亀が浮かんで甲羅を乾かす。時々、蛇が泳いで、ゆっくりといくつもS字を作る。

ベンチに長く座っていると、何度か風がびゅうと吹く。

風はツツジの垣根や葉桜を揺らす。お堀の隅には風に吹かれて散ったツツジがたまっている。水面にぽつぽつ浮かぶツツジを見ていると、寂しくなった。

寂しくなったから、最近見ているテレビ番組を思い出して俳句を作ってみようとした。

けれど、季語が二つ入ってしまったり、言いたい事を入れられなかったりしてしまう。結局、上の二つを書き残して家に帰った。

もっと俳句の心得があったら、上手く言葉に出来たかもしれないと思うと、少し悲しくなった。

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