18 へき、ぺき、べき

それはいつも、唐突に訪れる。


ほら、きた。


その瞬間、鼓動が早くなる。


どきどきなんて、生ぬるいものじゃない。


ばくばく、ばくばく。


心臓が、ここから出してと叫んでる。


ぜぇ、ひゅぅ。


のどが引きつって、呼吸のしかたが、わからなくなる。



確認は、何度もして、これで……なのに。


何を間違えた。


どこを見落とした。



あぁ……もう。



――――じゃないなら、いらない。

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