王様ゲーム そのニ

「 それではニターン目を始めます」


 王様は、私だ。


「えーっと、5番の人が3番の人に、普段は言えないことを言う!」


「えっ!?」


 どうやら5番は東野君らしい。3番はぶちょーだ。


「さあ東野。どーんとこい!」


 見るからに 慌てふためいてパニック寸前の東野君に対して、ぶちょーはどんと胸を叩いた。


「さあ、東野君。普段は言えないこと、どうぞ」


 八島さんが 東野君に回答を促す。


「えっ、えっと……」


 可哀想なことしちゃったかな。私が少し反省していると東野君がとうとう話し始めた。


「ぶちょーは……」


 ぶちょーは……?


「も、もうちょっと勉強してください!」


 ピシャーンと雷が落ちたようにぶちょーが固まる。逆に、その他のメンツは一斉に吹き出した。佐久間先輩に至っては腹を抱えている。


「たくさん部活に顔を出してくださるのは嬉しいのですが!受験が控えてらっしゃるのにヤモリや亀の餌の調合や住処の調整ばかりしてらっしゃるのを見ると、心配で……!」


「あっははは!ぶちょー、この前の中間も3科目赤点だったもんね!よくぞ言ってくれたぞ東野君!あははは!」


「確かに、そのような状態から成績を上げるとなると、なかなか厳しいかもしれませんね」


「現実逃避も程々にお願いしますよー」


 佐久間先輩、八島さん、ジョーの順番に止めを刺していく。ぶちょーはすでに灰になっていた。


「俺、もうおうち帰る……」


「まだ帰らせませんよ。ゲームはこれからなんですから」


「途中退出は認められません」


 うーん、みんな厳しいなあ。

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