「拗らせが面白いのは20まで」

文体を試験的に変えてみます。


やっとこさ合格し大学1年生(浪人したから19歳)、一人暮らしを始めた。

今は引っ越してしまったアパートのエントランスの前でカップルがいちゃついていたことがある。

時間は深夜でコンビニで夜食を買ってきて帰ってきたタイミングだった。

童貞で高校時代もろくに女子と喋ったことがない私はカップルという存在にも触れるのが稀で、ビクビクしながらそのカップルの脇を通り過ぎてアパートに忍ぶように入っていった。


ドキドキした心のまま、ちょっと嘘をついてLINEで

「カップルの邪魔をして真ん中を通ってやったぜ」

と地元の幼馴染に送ると、

「やっぱおまえは拗らせてる童貞だな」

と笑われながら返されたことを覚えている。


これは明確に褒められていたのだと思うし、面白い自分が評価されたということに満足感も感じていた。


もし今のアパートの前でカップルがいちゃついていたらどうなるだろうか。

今だ童貞で小心者の私は1年生の時と同じようにこっそり忍ぶように隣をすり抜けるだろう。ただ、また同じように幼馴染にあのようなラインを送れないと思う。


6年制の大学に通う私はまだ大学にいる。

けれど周りは働き始める、そんな微妙な年齢の23歳になって、

まだこんなことをやっているのかと思われるようで、そして実際その通りなのだ。


「拗らせが面白いのは20まで」


以上がふと思ったこと

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