第162話 春の行商計画

 もう2月も半ば、今日の定例会議では現在の状況と照らし合わせながら春の計画を確認するよ。



「砂糖やシロップの季節がきたね」

「まずは南部だよね?」

「うん」


 北部ではメープルシロップと甜菜。

メープルシロップ採取のタイミングは3月上旬から4月中旬だから少し先になる。


「まずは南部の中でも特に暖かい地方でサトウキビ。その次に北部でメープルシロップと甜菜を仕込みながら夏にかけて南部でサトウキビをさらに広げる。以前も相談した通り夏のサトウキビは他の商人たちに動いてもらうように仕向けようね」


 サトウキビも砂糖かえでも甜菜も野生の苗を気づくように仕向ける。ピーテル村で石炭の存在に気づくよう仕向けたみたいに。



「気付かせるのと、貧しくて資源が乏しくて栽培に向いている地域には僕の力で生やすよ!」

 神様の力って凄い。砂糖の原料になる植物をぐんぐん生やしてしまった。ウィルコが神様っぽいのは珍しい…っていうかウィルコの甘味への執念を垣間見てしまった。


 サトウキビは夏植えと春植えがあって、夏植えは1年半、春植えは1年かけて育てて、どちらも収穫は春先。

 トーマスさんに相談して困っている商人に声をかけてもらおう。


「じゃあ明日から南部か?」

「うん暑すぎない地域を少し回って王都に砂糖を持ち帰ろうよ」

「僕も賛成、ルイスとモニカが辛い地域は他の商人に任せたいな」

「気を遣って貰っちゃって悪いわね」


 いやいや冬毛でモコモコなモニカとルイスに無理はさせられませんよ!


 冬の2人はモフモフでモコモコで最高だ。2人が日向ぼっこしていると近寄ってフサフサさせてもらうのが冬の間の1番の楽しみになった。

 まあ…その挙句に爆舐めされる日もあるんだけど。そんな日はお風呂に向かう私をウィルコが覚めた目で見ているんだけど、あのモフモフはやめられないのだ。

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