第63話 ウィルコの成長

夜、結界に帰ってシモンさんを呼んだ。


「ウィルコ…」

 あのウィルコに厳しいシモンさんがグッときてる。


「皆さんとご一緒にウィルコのステータスを見てみましょうか」



【名前】ウィルコ

【種族】神

【性別】男

【年齢】700歳

【状態異常】なし

【職業】神

【体力】700000/700000

【能力】S +

【スキル】

  神の技

【犯罪歴】リセット済

【犯罪指数】0%

【職業貢献度】18%

【当月の職業貢献度】36%


「犯罪歴がリセットされてる!」

「これは驚きましたね…」


 当月の職業貢献度が下がったようにも見えるけど、前回ウィルコのステータスを見て私とウィルコの近づける距離を70cmまで縮めた時とは月が変わっているから問題ない。むしろ良くやってくれている。

 モニカと2人でコンビーフを仕込んだ日も休暇だったのにルイスと一緒に選挙のために国内を視察してくれていたんだよね。ルイスの力を借りたけど、やりたい事を伝えてルイスに協力を求めたウィルコをみて感動したんだ。


「カレンさん、ウィルコとの距離をリセットしますか?」

「うん」

 シモンさんが術を解いてくれた。


「これからも、よろしくね」

 ウィルコに向かって手を差し出すとウィルコも手を差し出したので固く握手して手を離した。


「ウィルコの更生は嬉しいけど…」

「カレンさん?」

「ルイスとモニカは? やっぱりもとの世界に帰っちゃうの?」


 ロリコン神ウィルコのセクハラから私を守るために来てくれたのだからウィルコが更生したらお役目は終了だ。

 そういう約束だったけど別れがたい。…ダメだ涙が出てくるのを我慢してへの字口になってしまう。


「途中で見捨てる訳ないでしょう」

「そうだ、この世界が立ち直るのを見届けるつもりだ」

「…これからも一緒?」

「もちろんだ」

「カレンとの生活は刺激的で楽しいわ」

 ルイス狼とモニカ狼にギュってしがみついたら私の顔が2人の毛皮にモフゥって埋まった。

 これからも一緒……安心したら涙が出た。


「じゃあ出しなさい」

「モニカ?」

「祝いに肉は付き物だな」


 ヴァジムさんとオリガさんの家でご飯をたべたばかりなんですが…。



「コンビーフでいいかな」

素直に出した。

「唐揚げも残っているだろう?」


言われるがまま全部出した。

テラ様も呼んだら喜んでくれた。


感動を台無しにする食欲が頼もしいよ…。

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