第74話 何か聞こえるんだが

【こういう時は、やさしく抱きしめてあげるのがいいのですよ。】



・・・・?なんか言ったか?っつーかおい!あんたか?俺様の身体を勝手に動かしてんのは?


【気にしたら負けですよ?で、どうするんですか?そこの2人の女性は、貴方に好意を抱いているようですよ?】


・・・・んな訳ねえだろ!


【・・・・いいですか?常に男性は女性に優しくしておかなくてはいけないのですよ?】


・・・・いつもやってんじゃねえか!


【そして・・・・女性を泣かしてはいけませんよ?】


・・・・む・・・・あいつら目に涙を・・・・


【まだまだこれからですからね!こういう修羅場をうまく切り抜けないと、そのうち後ろから女性に刺されますよ?】


・・・・それは嫌だぞ!


【今両手に2人を抱いているでしょう?優しく背中をさすってあげなさい。そしてその後は、相手の気持ちを汲んで、何をしてほしいのか察するのです。】



・・・あんた難しい事言ってんじゃねえか!・・・・っで、どうしたらいい?


【実はチャンスなんですよ?そうですね・・・・そこのソファに3人で座ってはどうですか?】


・・・・俺様さっぱりだ!あんた教えてくれよ!


【良いですよ・・・・ですが、言っておきますが、私は貴方ですからね?】


・・・・?意味わからん・・・・


「なあ、ちょっくらそこのソファに座らないか?」


俺様言われた通りに言ってみたぞ?ふふん!どうだ!


【その調子です。いい感じです・・・・】


「え?ええ?あのルドメロが、まともな事言ってる?でも嬉しいよ?」


「うう・・・・私はどうしたら・・・・」


【この場合、デイフィリアから優しく座らせてあげなさい・・・・】


・・・・わかったぜ!


「・・・・デイフェリア、まあ座んな。ほれ、俺様の隣に座るんだ。あ?エウラリアは反対側でいいか?」


「ルドメロ様が優しい・・・・」


「・・・・ねえ、ずっと気になってたんだけど・・・・聞いていい?」


「あ?何だ今更?」


「ルドメロの額の傷?ないよね?それに・・・・何だか背が伸びてない?私と過ごしてた時、全く背が伸びなかったじゃないの!髪の毛すら伸びてなかったから、どうなってんのって思ってたんだけど。」


「・・・・そう言われれば!あの時まで、そう言われれば髪型が・・・・全く変化してなかったですよね・・・・ですが今は・・・・結構長いですよ?それに・・・・私も伸びたと思いますが・・・・ルドメロ様も背が伸びましたね?」


「デイフェリア、ちょっと待って、あの時って何?それと・・・・やっぱり少し・・・・雰囲気も変わってるわ?やっぱり額の傷が?」


「あのですね、お姉さま、ダンジョンの50層で・・・・ルドメロ様は回復魔法を使いすぎて、倒れたのです。その後少しの間、別人のような振舞を・・・・最後には額をナイフでガリガリと・・・・ポチさんの血で治療をしてましたわ。」

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