第53話 本当ならサイクロプスだったようだ

「あのですね、分かっている範囲では、ここは55層、本来はサイクロプスが出現するのですよ?」


「それってうめえのか?」


「さあ、どうでしょう?お肉がドロップしたという話は聞いた事がありません。それにわたくし、まだ11なので、ギルドで働いていないので、詳しくは知らないのです。それと、このダンジョン、70層まで攻略されていますね。あ、そうそう、同じ仕様のダンジョンは、軒並み70層までですよ、攻略されているのは。」


「そうなん?じゃあもうこの辺りには人いないのか?」


「いえ・・・・どうやら私達が此処にたどり着く前に、冒険者のパーティか、クランなのかはわかりませんが、ここに辿り着いていますよ?」


「おお!すげえな!どうやってわかったんだ?デイフィリアって実は使えるガキんちょだったんか!」


えっと、これは褒められたと思ったほうがよろしいのでしょうか?


”そろそろよいか?向こうが待ちくたびれておるようだぞ?”


「お!同じトカゲどおっていてえ!ポチ蹴るな!」


”ふん!”



「全く何で蹴るんだよ!あ、ポチ行くか?」


”任せろ!ブレスで片が付くだろう”



「じゃあ早くやれや!」


”む・・・では行くぞ!BUFOOOOOOOOOOO!!!"


「あ!あちいい!こらポチ!熱いじゃねえか!」


「ひい・・・・何ですかこの熱気・・・・」


”ブレスをすると言ったであろうが!”


「もっと熱くねえのでやれ!見ろ!壁がどろどろじゃねえか!ああ!肉が!ドロップした肉が焼ける!」


”・・・・やり過ぎたようだ”


”まあいいではないか?どのみち焼くのだろう?”


「む?そうか?確かにシロの言う通りか?じゃあシロ回収してコイ!」


”何!この熱気の中我が何故回収せぬといかんのだ・・・・”


”残念だなシロ!”


”ポチ!このようにしたのは貴様だろう!貴様が回収しろ!”


「あの・・・・ええとですね・・・・従魔同士、仲よくしてほしいかな?」


””できぬわ!””


元々縄張りを争った2体。そうそう仲良くはできないのであった。


・・・・

・・・

・・


暫くして周りが冷めたので、ドロップアイテムを回収する2人と2体。


そしてポチが何かに気が付いたようだ。


”珍しいのう。ダンジョン産のドラゴンが”血”をドロップするとはな。”


「あ?血って何だ血って?あんなのドロップしたって回収できねえじゃねえか!」


”まあそういうなマスターよ。マスターなら容器ぐらいすぐ用意できるであろう?”


「・・・・ちょっと待ってろ・・・・何かある筈だ・・・・これどうだ?」


ルドメロが取り出したのは、栓の付いた小さな容器だった。


”うむ。少量ならいいだろう・・・・さあ、あの血だまりから血を少し持っていくがよかろう”


「何だ偉そうに・・・・これでどうだ?」


”いいな・・・・その血は人には万病に効くと言う。もしくは怪我に効く、だったかのう?”


「じゃあポチの血も何かに効くんか?」


”我の血は止めた方がいい。きつ過ぎて人は死ぬぞ?”

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