木曜日の稲妻

 正確には、昨夜から今日、空は時折色々な箇所で怪しげな明るさを見せた。

 雨は降ってはいないのに、たびたび明るく光り、稲妻が走る。

 雷鳴は、たまにかすかにしか聞こえないが、青白くあちこち稲光が見え隠れする。

 今までに、見たことがない太い稲妻が続いていた。

 おまけに光るたびに下方に稲妻が落ちるさまは、はじめて見た。

 バリバリ〜ドカーンなどという音はないので、落ちきってはいなさそうだ。

 高い位置では、横に伸びた、ひと枝のような稲妻も走ってみせる。

 けっこう長い時間、上空は賑やかだった。

 うねるような音は夜をかける。

 秋を知らせているかのように。


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