　家路、あるマンションのゴミ捨て場扉前に一瞬、スーパー袋のゴミが落ちていたのが通り過ぎざまに視界に残った。

　数歩程後退りして見直すと、スーパー袋に見えたのは　ねこ。

　オレンジ色のかわいい1匹のねこが、こちらをうかがっている。

　しばらく見つめあってしまった。

　逃げ出すこともなく、こちらを眺めてくるねこと、止まってしまった足取りと時間。

　めったにない出会いは、めったにない特別な癒しの時をプレゼントしてくれた。

　ちょこちょこっと急ぎ足で追い抜いていってしまったオレンジ。

　明日も会えるかな

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