第2話 種まきドラム缶
種まきドラム缶としかいいようがないものがある。港、コンビナート付近のコンクリートに舗装された大地にそのドラム缶は放置されている。そして月に一回、液体のようなものを撒き散らすのだ。私も数度見たことがある。そして辺りに撒き散らされたそのコールタールのような黒色の液体は、もう一ヶ月間かけ徐々に成長していく。最終的に何になるのか私は知らない。途中で黒服の男たちが回収していくからだ。彼らは何を目的としているのか、そもそも実在するのか、種まきドラム缶の一部ではないか、無数に謎が存在している。しかし私はそれらをすべて無視する。その方が楽だし、幸せだからだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます