電車でのあれこれ(2014/10/26 14:48)


 昨日、電車に乗っていたときのこと。


 朝晩冷え込み始めたとはいえ、日中はまだまだ温かい季節。

 仕事が休みだった僕は街に買い物にでて、帰りに駅で電車を待っていた。


 電車がやってきて一番端の席に座ると、僕は買ったばかりのルクルーゼの鍋を膝の上に置いた。

 鍋を置いていた。と言ってももちろん裸で持っていたわけではなく、結婚した友人へのプレゼントとしてオレンジの包装紙で綺麗に包装され紙袋に入った状態で持っていたわけだ。まぁ、それは別にいいや。


 電車が発車するまでは数分間あって、僕はタブレットで人間失格を読んでたんだけど、夕方の時間帯はどんどん人が車両に乗り込んでくる。

 もし、お年寄りが目の前に来たら席を譲ろうかな。なんて考えていると、目の前に立ったのは一組のカップルだった。


 歳の頃は大学生くらいだろうか。

 優雅な独身貴族は目の前に若いカップルが来たくらいでリア充爆発しろとか思ったりしない。むしろ微笑ましく見守るくらいの余裕は持っている。


 電車が発車し、特に気にも留めず再び電子書籍に集中していると、コツコツと僕の膝に何かが当たった。

 ルクルーゼの鍋で視界が遮られ何かは分からないけれど、電車が揺れる度にコツコツと膝を何かがノックする。


 三回目あたりでさすがに僕もちょっとばかりイラっとして、覗き込んで見ると前のカップルの女の子が手に持つコンビニのビニール袋が電車の振動に合わせてユラユラ揺れている。これが僕の膝に当たっていたのだ。


 若干中身が透けて見える袋の中にあるのは紙パックのジュース。リプトンとかの四角い紙パックのやつ。しかもよく見ると蓋が空いてる。

 おいおい、中身こぼすなよ。とか、そもそももっと周りに気を配れよ。とか、その時点でなんかこう、残念な気持ちになるのは分かってもらえるだろうか。


 で、チラッとカップルの顔を見上げて見たわけだ。そしたら、二人でスマホいじってるわけ。

 たぶん何かソシャゲでもやっているのだろう、何々の属性が~、レアカードが~みたいな言葉が聞こえてくる。

 二人とも自分のスマホいじりながら時折見せあってるわけ。割と真剣に。それも楽しそうに。


 そもそも、電車とかで必死にゲームやってる人が僕には理解できないんだけど、一人で黙々とやってる分にはまぁ暇潰しなんだろうなぁと理解は出来る。

 でも、そうじゃなくてカップルが二人して別々にスマホでゲームしてて、時折見せあって喜んでる。


 こういうのを見せられると、とてつもなくうらぶれた気持ちになるというか、なんだかとってもゲンナリしちゃって、自分自身がとてつもなく悲しくなってきちゃうんだよ。


 そういう気持ち分かって貰えるだろうか。

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