転生王子の異世界ハーレム〜前世で裏切られ続けた男は国の為、異世界で活躍(暗躍)します〜
橘 孝明
第1話『プロローグ』
藤堂悠翔これは俺が転生する前の名前だ。
俺は性格からなのか知らないが何故か良く人から裏切られる事が多かった。一時期には親とでさえ真面に会話出来なくなった時もあった。だがずっと関わりを保ち続けた相手が一人だけいた。藤堂(旧:緒川)真桜だ。
幼馴染の彼女は唯一裏切る事なく側にいてくれた。高校二年で意を決して告白し結ばれた。その後二十三歳で結婚し、子供にだって恵まれた。
二男一女……五人の大家族だった。
日差しの痛いある日の事、俺は真桜に結婚記念のサプライズをする為に一人街に買い物に来ていた。そして悲しい事に目撃をしてしまった。
俺は其れを見た時に怒りよりも先に虚しさが襲ってきて、そしてやっぱり裏切られるのかと絶望した。
真桜はは俺の知らない男と楽しそうに並んで歩いていた。
俺は直ぐに無料通話アプリL○NEを利用して『君もまた俺から離れるのか……後で話そう』と送ってしまった。無意識のうちに送った言葉だった。
俺の手には彼女へのプレゼントが入った紙袋が握られていたが、直ぐに捨てたい気持ちに駆られたがどうにか抑えた。
どうにか戻ってきて欲しいな……と思いつつ家へ一先ず帰ろうとそう思った。しかし帰宅が叶う事はなかった。
無料通話アプリL○NEを使った場所から程近い、横断歩道を渡っている途中に信号無視をして向かってきたトラックに跳ね飛ばされた。
よく文学作品きに死ぬ直前には周囲の景色がゆっくりと進み、そして今迄の記憶が走馬灯の様にやってくるというが、良く表現されていると思う。
誰か作家が死にかけて、そのことを書いたのではないかと思う程に……
俺は実際に体験をした。そして実際の時間よりも長い時間が流れた頃大きな衝撃に見舞われた。
俺はもう死ぬんだ。漠然とだが理解が出来た。
暫くすると、聴き慣れた心地良い声が聞こえた。真桜の声だ。心残りがあるとすれば彼女の言い分を聞かないで死んでしまう事だ。
やはり裏切られても愛情があるのだろう。さっき迄あれほど捨てたかったプレゼントを渡したくなってしまった。
最後の力を振り絞り、紙袋を渡した。そして声を掛けた。
「子ど……も…達を………たの……む。ハァハァ……しあわ……」
「幸せになってくれ」という言葉を掛けようとして意識は消失した。
消失する直前に、「嫌!!死なないで!!」「もう話さなくていいから。悠翔君ともっと一緒に生きたいよ……」という言葉は残念ながら届く事はなかった。
〜〜〜〜〜〜
意識がある……あの忌々しいトラックの所為で、俺は死んだ筈だ。
あぁやっぱりだ。今目の前では俺の葬儀が執り行われていた。
喪主は真桜でプレゼントしたネックレスを身につけて、号泣していた。
あぁこれから俺は幽霊にでもなって彷徨うのだろうか?そう考えていると、声をかけられた。
「やぁ。録でもない人生を歩んできたね?そんな君に朗報です!異世界転生が出来るのです」
( •´∀•` )←こんな顔をしている変なまるで神かの様な女に声をかけられた。
当然のことだが無視をした。
無視をされたことに焦ったのかは知らないが、「待って無視をしないで!神々の加護を与えるから!」と言ってきた。
勿論無視だ。
「あぁ……話だけ聞いて?ね?ね?」
超ウザいウザ過ぎる。
「じゃあ異世界で敵なしの、最強にしてあげるから!」
其れでも無視をしていると女は泣いてしまった。
なんだか胸が締め付けられる気がして声をかけた。
「はぁ……なんだよお前」
「良く聞いてくれました!私は異世界の創造神です。異世界の女神様なのです!さぁさぁ崇めよ!称えなさい!」
面倒くさいのでやっぱり無視しよう……
「ごめんなさいごめんなさい。無視しないでぐださい」
仮にも女神なのだろう流石に謝らせるのは違う気がする。
「まぁ謝らなくても良いからなに?」
「よくぞ聞いてくださいました!私の世界に転生して下さい。お願いしま「御丁重にお断りします」
当然断るに決まっている。既に人間関係に疲れている人間にお願いするとか鬼畜の所業だ。
鬼だ鬼!鬼女神様だ。
「其処をなんとかぁ……私の世界だけ文化レベルが下過ぎて笑い者にされるんです……因みにこの地球ですら世界的に見れば下位に位置するんですよ(勿論それだけが理由じゃありませんけど)」
「他の奴に頼め。俺はこれ以上生きたくない」
「一千年地球を観察してきて、貴方が残り少ない適任者なんです!後十年で転生させることが出来なくなるかもしれないんです。それじゃ困るんです。お願いしますお願いします」
「一千年観察してきたなら他にも適任者がいたんじゃ……「これまで二百人近く声をかけて来ましたが全員に断られました」
……なんだろう流石に可哀想だが当然行く訳ない。
「お願いします転生資格は三十歳未満で、しかも波長が合う人間だけなんです!ねっ?ねっ?なんでもお願いを叶えますから」
「ん?なんでも?」
「はい。私の身体を弄んでも……」
身体をクネクネしながらこの変態女神は言葉を発した。
「ん〜じゃあ願いは四つ。さっき言っていた神々の加護を与え、異世界で敵なしの最強にすること。其れに真桜と会話をさせてくれ。今以降俺が困ったら、女神様に話しかけるから丁寧に応えて、願いを解決しろ。そしてこの世界の記憶を消してくれ」
正直三つ目は断られても構わないが、一つ目と二つ目そして四つ目は絶対に叶えて欲しいところだ。
「えっ……本当に本当に転生してくれるの?」
「あぁこの三つの願いを叶えたらな」
「わ"がっだ。その願い叶える。本当に転生してよ?」
「当たり前だ」
「んじゃあ奥さんと最後の挨拶をね?」
「あぁ」
光が輝くと俺は真桜の目の前にいた。
真桜を目を見開き、更に号泣した。
『悠翔君!あ"い"だがっだ。なんでじんじゃうの?もっと一緒に生きたかった。悠翔君が死ぬ直前に渡してくれたプレゼント本当に嬉しかった。でも最後だと思うと凄く悲しかった。後……私浮気なんてしてないよ……悠翔君の為のプレゼントが何が良いと思うのか友達に聞いていたの!なのに……なんで渡せないんだろう……』
『悪かった……君の気持ちも知らないで……俺は神様の願いで異世界に転生するらしい。だから君の事を忘れてしまうかもしれないだけど、君は幸せになって欲しい。俺株をやっていてさ……一億七千万円くらい残ってるから、全部売却して、子供達の為に使って欲しい。今迄ありがとうそしてさようなら』
『悠翔君!行かないで!嫌嫌よ!』
『俺は君が幸せになって欲しい……俺は人を信じられなかった。最後には君すら信じようとしなかったでもこれまで君と過ごして来た日々は本当に楽しかった。子供達に宜しく。そして本当にさようなら。逢えるならまた逢いに来るよ』
そして輝きは散った。
真桜は更に号泣して、立つことすらままならない様子だった。胸のネックレスを握り締めて……
「なぁ願いを叶えて欲しい」
「無理だよ君の願いは既に聞いたものしか叶えられない。だから君の新しい願いは叶えられない」
「三つ目の願い『今以降俺が困ったら、女神様に話しかけるから丁寧に応えて、願いを解決しろ』まさかなかった事にする訳ないよなぁ?女神様」
「うっ……確かに……願いはなに」
太々しい様子で返信をした。
何処が丁寧なのか聞きたいところだがそんな事はどうでも良い。
「新たな願いは二つ。真桜がプレゼントしたかった物を異世界で用意すること。二つ目先程願った四つ目の願い『この世界の記憶を消してくれ』を取り消すこと」
「うぅぅ……分かりましたよ……普通あり得ませんからね!こんなこと。(ちゃんと精査すれば良かった)」
白い光に包まれた後……悠翔は転生した。
「なるべく良い転生先を用意したので、私の言わなかった願望を叶えて下さいよ……」
〜〜〜〜〜〜
俺は目が覚めた。目の前には銀髪の男と、黒髪の美女が覗き込んでいた。
彼らは分からない言葉を話していた。
あぁ……俺は転生したのだ。完全に転生した。「真桜君は幸せになれるのだろうか?」そうなこんなで俺は転生した。
転生してから数年が経ち自分の状況を理解した。
どうやら俺は異世界の王族らしく、ユートリヌス・フォン・アーレントというらしい。
既に何度かあの女神(笑)に話しかけて、魔法の講師に就いて貰っている。お陰様で若干五歳にして、この世界でもトップクラスの
なんか「今後は叶える願いを制限しないと……」とか言っていた気がするがそんな事は知らない。
因みに五歳になった時に、真桜がプレゼントしたかったという指輪を用意させた。因みにその指輪に四次元○ケットの様な機能を付けさせた。ユートリヌス専用、容量制限なしに時間経過なしという破格だ。因みに此れを願い出た時女神(笑)は頭を抱えていた。知ったことではない。
異次元宝物庫と名付けしっかりと部屋に飾っている。
其れから数年が経ち俺は十歳となった。
十歳になる貴族のお披露目式が終わった後、ユートリヌスは、アーレント王国国王の父オットー・フォン・アーレントにアーレント王国隠密を務めないかと提案された。
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