6月12日

 晴れ


 突然だけど、良いことを思い付いた。そもそもこれから同じような生き方をしなければいけないのなら死んだ方がマシだと思っていたけど、そうじゃあない。この日記の本当の使い方は近道を作ることだったんだ。書かなければ明日が来ないというのなら、具体的に書いてやれば未来をスキップすることも出来るだろう。

 なら、自分の人生が最高に幸せだったと言うことにしてやればいい。

 みんな最終的に幸せになるために辛酸を舐め苦渋を飲みながらいつくばってでも未来に進んでいく。途中途中その過程を楽しみたい人はこの未来日記を利用してずっと楽しい思いをしていればいい。だがそんなことに意味はない。完結しない物語の途中の良いシーンだけをずっと見続けることになんの意味があるだろう。それが例えばバッドエンドの物語なら余計に虚無を感じる。自慰行為にさえ思える。過程はどうあれ、重要なのはどういう気持ちで最期を迎えるかだ。

 なら、さっさとその最終段階に入っちまって


【未来日記】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る