第2章・人嫌いな彼女

「はーるきー」

「千香」


 粟井千香。

 男だけど女の格好をしている子。

 なんだか分からないけど可愛い女の子に憧れているらしい。


「今日の宿題やった?」

「うん」

「みせーてー」

「いいけど」


 こんなやり取りはたから見たらカップルだろう。だけど千香は男だ。

 カップルも何もない。

 だけどまぁ、千香が男だって僕以外は気づいてないみたいだけど


「それでさ〜放課後最近できたカフェ行こうよ」

「ごめん。無理」

「?なんで?」

「迎えに行かなきゃなんないんだ」

「昨日も言ってたよね?うちもついていく!」

「は?」


 千香は本当に良い奴で、僕が心を開いている唯一の存在でもある。

 だけど...いいのだろうか?

 彼女と千香を合わせても...


 でもいっか...

 彼女は優しいから受け止めてくれるだろう。


放課後千香と共に彼女の学校に向かった


「うわ。ここ超有名お嬢様学校じゃん」

「そうだよ」

「誰待ってんの?」

「もう時期来るよ」

「可愛い子?」

「んーどっちかと言うと...」


美人な子。かな

気品さ溢れる美人。

月下美人や大和撫子と間違われてもいい子だろ。

千香は美しい事はどう思ってるんだろう


「冬井さん?」

「白樺さん。」

「そちらに居るのは?」

「こんにちは。粟井千香でーす」

「.....」

「行こっか」

「えぇ。」


帰り道昨日も同じように帰った同じ道。そんなおなじ道なのに彼女が居るだけでドキドキする。

彼女が居れば冬の道は綺麗だ

四季の道を彼女と歩きたいな。


春は桜が綺麗で桜の中に居る彼女はもっと綺麗だろう

夏は暑いけれど彼女と居れば暑さなんて忘れるだろう

秋は紅葉の絨毯は君にピッタリで美しいのだろう


来年の冬も彼女と歩けるのだろうか


「ねぇ。カフェ3人で行かない?」

「え?」

「.白樺さん?だめ?」

「あの...1回帰ってからじゃないと」

「そっか。じゃあ!家に寄っていこ」

「ありがとうございます」


昨日とは打って変わった様子の彼女。

千香の事気に入らなかったのだろうか

そんなはずはないと思うけれど


「それじゃあ少し待っていてください」

「はーい」


「白樺真雪ってさ人嫌いで有名なんだよ」

「は?」

「白樺真雪に好かれるなんてついてるね」

「あぁ。」

「可愛いけど気高いよね」、


何が言いたい?

彼女に対して千香は何が言いたいんだ?

それに...

彼女が人嫌い?

初めてあった日に助けてくれた彼女が?

そんなはずがない。

だって彼女は僕に対して気に入ったと言ったのだ。

人嫌いならそんなこと言わないだろ


「でも。白樺さんに会えてよかった。ありがとう」

「あぁ。」

千香に対して曖昧な返事しか出来なかった

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