ロクロ山にまつわる噂
詰所の中へ入り椅子に腰かけた俺たちは、早速あの山…ロクロ山について聞いてみることにした。
「それで、あの山はどんな山なんだ?」
「あの山はとても鉱石が豊富な山なんです。あの山に住む魔物の大半はその豊富な鉱石を主食としています。」
魔物が鉱石を食べるのか、すごい生態だな。
「さっき魔物の強さの違いが激しい…と言ってたが、その事と関係あるのか?」
「そうなんです。例えば普通の鉄鉱石を日常的に採取している魔物と、ミスリルの原石を摂取している魔物では、同じ魔物でも体皮の硬さ等に違いが出たりするんです。」
「なるほど、ちなみに鉄鉱石を食べている魔物とミスリルを食べている魔物とではどれぐらい強さが違うんだ?」
「そうですね、鉄とミスリルだとだいたい10倍ほど違うでしょうか。」
そんなに違うのか!?よく違いを見極めて戦わないと、足を掬われてもおかしくないな。
「ミスリルより上質なの鉱石もあそこにはあるんだろ?」
「アダマンタイトにオリハルコンと希少な鉱石も確認されています。…それと、これは噂程度なのですが、伝説の鉱石
「神剛石?」
「神剛石ってのは神話に登場する、伝説の勇者の武器に使われてた鉱石だね。」
「そんなものがあるのならぜひとも見てみたいな。」
せっかくなら、その噂というやつを確かめに行くのも面白そうだ。
「これで最後なんだが、あの山は気候変動が激しかったりするのか?」
山と言えば気候変動が起きやすいイメージがある。某地球で一番高い山も、ついさっきまで晴れていたのに急に吹雪いたり雷が起こったりするらしいからな。
しかしそんな心配はいらなかったようで、兵士は首を横に振った。
「いえ、特にそんな事はないですね。ただ、登れば多少気温は下がりますけど。」
「そうか、なら安心だな。仕事の邪魔をしてすまなかった。そろそろ俺たちは行くとするよ。」
「いえいえ!!とんでもない。こちらこそお役に立てたようで何よりです。」
兵士に礼を告げ詰所を出た。するとドーナがぽつりと言った。
「神剛石……。」
「気になるのか?」
「もちろんだよ、神話の勇者が使ってた武器の素材……もし本当にあるのなら見てみたいし。」
「そうだな。」
神話のモノが本当に存在するのか……確かめに行こう。もしあったら、それでドーナの武器を補修出来れば最高だな。
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