15)「雨季の冒険者装備決定版! アドベンチャーギアをご紹介!」

 冒険者とは、暑かろうと寒かろうと雷雨豪雪竜巻の最中であろうと、僅かな金銭のために身と心と寿命削って依頼をこなす職業ですが、とは言え我々も少しは楽をしたい!


 そんな冒険者の皆様に人気の冒険者道具アドベンチャーギアをご紹介するこのコーナー。

 今回は雨季をテーマに、最新ギアから定番ギアまで広く掲載致します!



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 カッパドギア(冒険者用)

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 別の世界からやってきた渡来人たちの文明はこちらの世界より遥かに進んでいたらしく、こちらには存在しなかった様々なギアを提案し、それが今でも定番アイテムとして冒険者の間では根付いています。


 その中でも定番中の定番はこちら【カッパドギア】


 これは誰もが知るお馴染みの雨具で、頭からすっぽり被る耐水性マントです。両手が塞がらずに済むので誰もが愛用している品です。

 しかし冒険者用はモノが違います。

 布地には特別なコーティングがなされた「ケロヨン」(注1)の皮を使用。水の浸透は殆どありません。


 冒険者用カッパドギア(注2)は滝に打たれても肌が濡れずに済むスグレモノですが、その耐水性には水系魔術をレジストする効果もあるため、雨季以外でも常備している冒険者は多いようです。

 高級品はさらに軽く、薄く、耐水性も強化され、さらに魔術による加護も加えられていますが、二等級や一等級でなければ手が出ない金額ですね(十万カネル以上は覚悟してください)。


 月刊迷宮ウォーカー通販でも冒険者用カッパドギア(3メトル✕3メトル、0.3キロル)を取り扱っております。

 こちらはタープや簡易テントとしても利用できる大きさで、十九箇所にループがついているので設営も簡単な逸品となっております。



 五等級冒険者ウーズナート氏

「これ、雨は防げたけれどドラゴンブレスは防げなかったので不良品です」



 注1)ケロヨンは爬虫類系の魔物で、温泉や温水を生息域にしているため数が少なく、その皮は貴重品として売買されています。依頼を見つけたらその報酬で一ヶ月は裕福に暮らせることでしょう。


 注2)カッパドギアとは、渡来人たちの世界では有名な地名なのだそうですが、なぜその名前をつけたのかは今となっては謎です。とある王都の学者様の調べによると、渡来人の住んでいた国でレインウェアのことを「アマガッパー」と呼んでいたらしく、ガッハーとギアをかけ合わせた語呂合わせなのではないかと言われていますが真偽の程は定かではありません。

 わかっているのは、これを適当なジョークとして名付けたであろう渡来人は、こうして詳細まで解説されて恥ずかしい目にあっているということです。





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 アンブレラ(冒険者用)

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 雨具のもう一つの定番は貴族も愛用している「アンブレラ」ですね。

 こちらは手が塞がってしまうため冒険者向きのギアとは言い難いのですが、冒険者協会が推奨しているものは、背中に差して固定する「ハンズフリータイプ」です。


 この冒険者用傘にも様々な工夫がなされており、サバイバルツールとしても優秀です。

 よくあるギミックは、傘の骨が武器にもカトラリーにもなる分離式。持ち手部分に小刀を仕込ませてあるものもありますね。

 耐水性や耐水系魔術の能力はカッパドギアほど手はありませんが、こちらは武器としても使用できるギアなのでおすすめです。


 月刊迷宮ウォーカー通販でも冒険者用アンブレラを販売しております。

 こちらには持ち手部分を捻ると起動する手榴弾が内蔵され、いざというときは傘を投げつけて敵を爆砕できます。

 また、先端の石突き部分にはオプションで毒針を仕込むこともできますが、暗殺行為は禁止されておりますのでご注意下さい(闇ギルド行為は厳しく罰せられます)。

 傘地にはカッパドギアと同じくケロヨンの皮を使用。骨組みは鉄、鋼鉄、ミンスリル(注3)、オリハルコン、アダマンタイトからお選び頂けます。

 また、よくある「傘泥棒」対策で、所有者を固定する魔術紋がついております。所有者以外がこれを持ち去ると、自動的に手榴弾が破裂して傘泥棒は腕と顔に重傷を受けること間違いなしです。



 五等級冒険者ウーズナート氏

「自分の傘かと思って開こうとしたら爆発したってばよ! よく見たら傘立てにあるのは同じ傘ばかりで、自分のがどれかわからないとかどんだけ博打なんだってばよ! 安全対策どうなってんの!!」



 注3)ミンスミルとは誤字ではありません。かつて渡来人が「これがミ◯ミル金属か……って、なぜ言えない!? まさかこれが噂に聞くなんとか財団の超絶魔法【著作権】というやつか!」と大騒ぎしたことから、こちらの世界で馴染みのあるあの名前は禁忌とされ、ミンスミルと呼ばれるようになりました。

 今も地方や老人は言ってはいけない古い名称で呼びますが、渡来人曰く、神々の怒りに触れかねないため危険なのだそうです。











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 編集部注

 やっぱりリアル多忙すぎて記事作成が遅れております。申し訳ございません。

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