第4話 推しのためなら頑張れます!

衝撃の事実に気づいてしまい、完全にフリーズしかけた頭を強制的に覚醒させる。

とりあえず今の状況を整理してみよう。


・朝起きてたらゲームの主人公

・主人公のくせに初期はクソザコナメクジ

・主人公の育成まじで鬼

・推したちが現実にいる可能性大


いろいろぶっ飛んでるせいでツッコミが追いつかねぇ…!

状況を整理するつもりが状況がイカレすぎてて逆に混乱してきた。

落ち着け、俺。真の紳士、略して真士はどんなときでも冷静に女の子を観察するものだ。そうだろう?(ちがう)


ようやく落ち着いたところで俺には一つ決めたとこがある。



推しのルートを攻略しようと思う。


俺たち紳士が自分の推しが現実にいると分かったときに取る選択肢は一つしかないだろう。そう、推しを攻略することだ。

幸いにも今の俺は彩原 修斗だ。能力はクソザコナメクジだが顔は#イケメン__主人公補正__#の彩原 修斗だ。外見だけならなんの問題もない。


そして俺の頭には紳士たちの英知の結晶が入っている。俺たち紳士が真摯に考え、必ずできると信じ、解き明かした真実を書き記したもの。そう、攻略サイトだ。

この情報を忘れなければ、俺は必ず推しのルートを攻略することができるだろう。


だが一つ心配な点がある。


俺の推したちは攻略するのがかなり難しいのだ。

もちろん主人公の覚醒ルートなんかに比べれば簡単なのだが、隠しルートを除いた通常ルートの中ではトップクラスに難しいと言えるだろう。でも好きになっちゃったら攻略するしかないよね!(キリッ)

これが普通のゲームだったらなんの問題もない。ガチャ限や期間限定、もしくはコラボ限定の貴重な武器やアイテムを強キャラたちに持たせれば、時間はかかるが必ずクリアできる自信がある。


だがこれはゲームではなく現実だ。

現実である以上、期間限定は分からないが、ガチャやコラボ限定のものはまず手に入らないと思っていいだろう。

それについては非常に残念だが、詰んだかと言われればそうでもない。きついことはきついが、ガチャなどの他にもいい武器やアイテムが取れる場所は多いため、それらを使えばなんとかなるだろう。


だがもう一度言おう、これは現実なのだ。

なんとかなるのはそれらを持つのがだ。

そう、今の俺にはパーティーを組める強キャラがいない。つまりソロということ。

この世界でパーティーを組むにはまずキャラたちと知り合いにならなければならないだろう。しかし俺には当然だが知り合いがいない。


今の俺、ぼっち


そして知り合い作れば問題ないじゃんw とか思ったそこのあなた、ひとつ忘れているぞ。



今の主人公、ゲーム内最弱クソザコナメクジ


どこの世界にそんなやつをパーティーに入れようとする人がいるだろうか?俺だって嫌だよ。


もう詰んでる予感しかしないのは俺の気のせいだろうか?あれ、目から汗が……ぐすん



だが真の紳士、略して真士はどんなときでも諦めないのだ(特に女性関連では)


最後にもう一度言おう、これは現実なのだ。

ゲームの中ではできなかったことができるかもしれない。



そうだ、やってやろうじゃないか。

ゲーム内最弱なんて関係ない。強くなればいいじゃないか!

推しのためなら頑張れる!





________________________________________

恋人はそう簡単に手に入らないのである By非リア



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