第131話 ジョセフの帰還

 ベルとの戦いから意識が遠のきどのくらい経っただろうか……記憶に全くなくジョセフは夢か現実かも分からないまま真っ白な地平線を歩き続ける。


 「ここは何処だ?やっぱり俺死んだのか?」


 まさか本当に死んだのではと思い前後振り向き左右も確認したのだが神様がいる気配などもない。それどころかいつものように誰かが声をかけてくる事さえないためここが死後の世界ではないことはなんとなくだが察することができた。


 「なんだ!?さっきまで白かった空間が急に真っ暗に……!」


 白い空間を飲み込むかのように黒い闇が俺の方へと迫り必死に逃げようと走るもいくら走っても黒い闇から逃げ切ることはできずそのまま闇がジョセフの体を覆う。


 「いし……っきが……遠のいて……ゆく……」


 意識が朦朧となり闇の空間に飲まれたかと思えば急降下で落ちたと同時に目が覚めた。


 「はっ!」


 目を開け両掌を確認するも何処にも支障はなく欠損している部分はなかった。顔を上げ周囲をキョロキョロと振り向くとそこには馴染みのある部屋でいつも勉強とかに使っていた机があって俺は何故か自分の部屋にいた。


 「俺は、異世界から日本に帰って来たってことなのか……?」


 ベッドから起き上がりいつものように背伸びをすると扉が勢いよく開くのが目視できた。黒髪ロングの清楚系で身長は164cmでバストサイズはFカップあり、制服越しでも分かる豊満な胸を激しく揺らしながら俺の部屋に入ってきた。


 「おっ、お兄ちゃん!?」


 「……侑で合っているんだよな?」


 「何言ってるの!一か月間何処に行っていたの!?父さんも母さんも心配していたんだよ!今から二人を呼んでくるから……」


 侑はすぐさま慌てた様子で寝室で休んでいる両親を呼びに階段を降りる。ジョセフはそれをただ茫然と見ているだけでこれが現実なのか頬をつねると頬は腫れ痛みも感じたためこれが現実であることが分かった。


 「上半身は裸でサングラスはっと……うん、壊れてないな」


 レイバンのサングラスを外し欠損部分はないか確認し、どこも壊れていなかった為再度サングラスを付け棚に入っていた服を適当に漁り着替えていた。


 「ほら、お兄ちゃん!」


 侑がそう言うと両親が顔を突き出し目を見開くようにしてジョセフを見つめる。


 「丈?本当に丈なの?」


 まず母親が俺に尋ね父親は「何でお前部屋でもサングラスなんだよ!」とツッコミを入れる。ってかそこじゃないだろ!言うところ。


 「正真正銘、綾野丈だよ。信じてくれるかは分からないが俺は神様の手違いで異世界に転移させられたかと思ったらこの世界に戻っていたんだよ」


 ジョセフは真剣な表情でそのことを伝えるも当然両親と妹の侑は信用してくれなかった。


 そんなことは分かっていた、そう思っていたためジョセフは異世界にいたことを証明するためのあれを披露した。左手からバチバチと青白い電流が流れる。


 「これが光属性魔法『スパーク』でこれは異世界で魔力解放してもらった時に体得したんだ」


 ジョセフは胸を張りながら言う。


 「信じられんな……その『スパーク』っていうのは本当にお前が出しているのか?」


 父親は半信半疑ながらもジョセフに尋ねる。


 「ああ、これは俺が発動している魔法だよ」


 「お兄ちゃん凄い!魔法が使えるようになるなんて!それでそれで……」


 侑は瞳を輝かせながらジョセフに質問をしようとするも父親は咳ばらいをし侑は口を噤む。


 「とにかくだ!お前はその異世界ってところで一ヶ月間生活してそこで魔法を身に付けたってことを言いたいみたいだがそれだけではどうも信用できん……」


 「んなことは分かっていた。親父のその固い頭を考えればそんなことは想定済みさ……それに俺だって好き好んで一ヶ月も家にいなかったわけじゃないんだぜ!だからと言って無理に信じてくれなんてことは言わない」


 そう言うと父親は黙り込みながら後ろを振り向き階段を降りていく。


 「……そうか、お前はこの一ヶ月間で色々と学んできたようだな」


 父親は一言言うだけでそれ以上はジョセフに何も言うことはなかった。


 「んでお兄ちゃん、異世界でどんな出来事があったのか教えてよ~」


 侑はジョセフの腕を掴み懇願する。


 「勿論そのつもりだ。お前の小説のネタにでもと思って今から異世界で起こったことをノートに書き留めようと思っていた所なんだ」


 ジョセフは侑に異世界での生活を伝えながらノートに書きながら思い出していた。


 リサ、アイリス、ジンジャー、マリー、テレサ、佐藤夏樹という仲間ができそこで本当の愛というもの知ったことを。リサ達が今何をしているのかは分からないけど無事でいてくれれば……ジョセフはそれだけを願いながらノートに一文字一文字魂を込めていた。


 「お兄ちゃんもその才能を生かして物書きになればよかったんじゃないの?」


 「何言っているんだ、俺が飽き性なのは侑だって分かっているだろ?」


 「でも、仁と一緒に昔はいっぱい遊んでいたじゃない」


 「仁か……あいつ今元気にしているの?」


 ジョセフは綾野丈として幼馴染の仁のことを思い出しながら侑に尋ねる。侑は顔を俯かせながら口を噤んでいた。


 「……仁は、まあお兄ちゃんがいなくなってからはかなり無気力になったって感じね、一応軽音部に入ってそれなりに頑張ってはいるんだけどぽっかり穴が開いたかんじかな……」


 「そうか、んじゃ今からあいつに会いにでもいくか」


 「えっ!?」


 侑は驚いた表情で声を出しそれに疑問を思いながら立ち止まる。


 「今日学校だよ!それに平日だから部活していて忙しいと思うし……」


 「それなら仕方ないな。また別の日にでもしとくか」


 そう言いながらジョセフは侑と共に階段を降り台所へと向かい食卓には朝食が準備されており親父はいつものように食パンにバターを塗りコーヒーを飲んでいた。


 「丈か……んで、お前はこれからどうするつもりなんだ?」


 父親は口にパンを入れながらジョセフに尋ねる。


 「どうなんだろ、異世界での生活に満たされていたからなのかそんなこと一切考えていなかったけど取り敢えずボチボチと頑張っていこうとは思っている」


 「そうか……まっ、海外留学したことにしといたから暫くは家でゆっくりしておくといい……」


 父親はジョセフがいなくなった間に行方不明届を出すか否かで迷っていたが家族会議の結果海外留学したことにしたみたいだ。


 ジョセフはテーブル席に腰を掛けテーブルに置いてあった食パンを掴みバターを塗りそれを口に頬張る。味に関してはやっぱり異世界のよりも美味しく懐かしのふるさとの味って言いたい様子でいた。


 故郷を離れると昔の味が恋しくなるとはよく言うがその状態に自分が陥るとは思ってもいなかった為か何故だかジョセフは涙が流れそうになっていた。


 「……美味いな、食パンは」


 「お兄ちゃん、異世界じゃ食パンとかってないの?」


 「パンとかスープは勿論あるんだけどあんまり異世界は飯が美味くなくてな……」


 「その辺も小説のネタにさせてもらうね……」


 食事の味の会話を交わしながらジョセフは食パンと牛乳を飲んでいた。


 こうやって妹とまた会話をする日が訪れるなんて思ってもおらずこんなにも新鮮で安らげることにどこかホッとしてはいたがそれと同時にジョセフは物足りなさも感じていた。


異世界での迸る緊張感と高揚感を味わった以上、ジョセフはもう異世界の虜になってしまっていたからだ。


 侑が学校に行った後、ジョセフは自室へと戻り異世界で起きた出来事の続きを書きながらスマホの電源を入れネットで日本はどうなったのか調べていた。


 「へぇ~、草凪プロダクションは一年後に高校生を対象としたアイドルの大会みたいなのを開催するのかぁ……草凪?どこかで聞いたような……」


 ジョセフはペンを止めてスマホの画面に記されている文字を見ながら何かを考えていた。


 「草凪って、あの草凪誠と何か関係があったりとかしないよな?まあそれを知ったところで俺にはあまり関係ないことではあるがな」


 笑いながらスマホのページを戻し日記の続きを書く。


 他にもスマホでネット記事を漁りネットサーフィンをしているも特に面白いことはなく日記の方へといつの間にか集中していた。


 日記を書き終えたのは侑が学校から帰ってきた時間帯で侑は俺の部屋で某出版社の仮想世界を題材にしたラノベを読みながらジョセフに尋ね始めた。


 「お兄ちゃんって異世界で婚約したんだよね?」


 「させられたってのが正解なんだけどね」


 「ソードスキルとかってのはあるの?」


 「ゲームじゃないんだからあるわけないだろ」


 侑はラノベを読みながらそんな非現実的なことを訪ねてきたためジョセフは少々癪に感じながらも侑の質問に答えた。


 「そうなんだね、異世界ファンタジーとか書く作家さん達の殆どがMPとかスキルとかって単語使うからお兄ちゃんもそんな感じなのかなぁって思って」


 「ぶっちゃけいうけど神様に力を授けられそうにはなったがね」


 「貰わなかったの?」


 「異世界で読み書きができるようにだけしてもらった」


 そう言うと侑は寝そべっていた身体を起こし驚愕した。


 「お兄ちゃんそれもったいなくない?」


 「何で?」


 「チートだよ!異世界ファンタジーと言えば俺TUEEEEEE!とチートがるからこそ楽できるものじゃないの?」


 侑の言うことは正論だ。しかし、そんなことして楽になれる反面魔王と戦い世界を救ってくれとか神様とか国王に要請されたりとかしたくないからそれを拒否したわけであってその旨を侑に伝えるも「それでもほのぼのと生活するために使えばいいじゃん!」とツッコミを入れられた。


 二週間が経ち侑はやっぱりジョセフの部屋におり、そこにはもう一人いた。


 身長俺と同じくらいで髪は黒でメジャーデビュー前のビートルズのようにリーゼントヘアーでロックスターのような服装をしていた坂本仁というジョセフの幼馴染は異世界から帰ってきた俺の部屋に遊びに来ており異世界での生活を話すとかなり羨ましがっており「俺も可愛い女の子と……」と嘆いておりジョセフは苦笑した。


 実際異世界での恋愛に関してはリサという年齢は中一くらいの女の子と婚約させられて半ば本当の愛というものを知ることになったりとその辺りを話そうか悩んではいたものの洗いざらい話すと流石に仁と侑にはドン引きされてしまった。


 「丈ってロリコンだったのか……」「お兄ちゃんってロリコンだったの……」


 「半強制的にそうなったわけで別に俺はロリコンじゃねえよ!」


 引き気味になっていた侑と仁に説明するも暫くはジョセフに近寄ろうとはせず遠ざかっていた。


 その時だった。


 ジョセフのスマホがブルルルルルッ!と机上で鳴り響き画面を見ているとそこには神様と二文字で書かれており躊躇わず取った。


 「はい……」


 『おう、ジョセフか……元気にしておるかの?』


 そんな呑気な老人の声がスマホのスピーカーから聴こえてきた。


 「元気も何も俺っ、いきなり日本に戻ってきてしまったんだがこれも神様がサービスしてくれたのか?」


 ジョセフは神様に単刀直入で尋ねる。


 『いやいや、ベルとお前さんの魔力が交錯して思わぬ方向で魔力が暴走したのが原因じゃろうとわしは考えておるがの。それよりもお前さん、あの世界でお前さんの帰りを待っている者達がいるのじゃがどうする?』


 神様はいきなり電話越しで尋ねたがジョセフは躊躇いながらもこう答えた。


 「勿論戻るよ。だがその前に家族や友人に挨拶をしたいんだがいいかな?」


 『……んっ、いいじゃろう……お前さんがあいさつしたと同時に神界へとわしが転移させるからそれでいいかの?』


 「それでお願いしたい……」


 横で神様との通話を聞いていた仁と侑は淡い表情でジョセフを見つめていた。神様との通話が終わりジョセフは二人の方を振り向き口を小さく開けた。


 「侑、親父とおふくろを呼んでくれないか?」


 今日は両親は仕事が休みで家にいたため侑はすぐに一階にいる両親を呼びに急いで階段を降りる。仁は「なんでや……」と声を漏らしながら別れを惜しんでいた。ジョセフは両親と侑が戻ってくる前に事前に部屋のクローゼットの中に用意していたレッドウィングのペコスブーツを部屋の中で履き、エンジニアブーツと新しく買ったサングラスをメガネケースの中にしまいバッグの中に入れ、黒いショットのダブルライダースを着用。


異世界に戻る準備を完了したと同時にドタドタと足音を立てながら両親と侑がやって来た。


 「親父、二週間前俺にどうするのか聞いたよね?」


 「あっ、ああ……確かに聞いたな……」


 父親は声を詰まらせながらジョセフに頷く。


 「俺決めたよ……異世界に戻るよ……」


 「そうか……お前はもう、綾野丈ではなくジョセフ・ジョーンズとして生きる道を選んだんだな……侑がいつも学校に行く前私の部屋に来て言っていたんだよ、お前がジョセフとして異世界で生活していたこととか……」


 父親は男の涙を流しながらそのことを話した。


 バカ野郎!と反対するだろうと思っていたのに予想外の展開になったためジョセフ自身父親に何を言えばいいのかが分からずになってしまい一瞬「やっぱり俺……」と異世界に戻るのを辞めようとしたが父親は「一度決めたことを簡単に曲げるんじゃない!」と𠮟咤激励してくれた。


 「そうよ、丈。例え血の繋がりはなくても私達はいつまでも親子なんだから……異世界に行っても忘れないでよ……」


 母親はそう言いながらも瞳からは今すぐにでも泣いて引き留めたいという思いが伝わっていた。


 「丈、お前がいなくなったら俺はどうすればいんだよ!俺も連れて行ってくれよ!」


 仁は悲しさのあまりにジョセフに懇願し、ジョセフはため息を吐き肩を竦める。


 「仁、親友としてお前に言うが異世界は命の概念が日本と違うからお前では難しい……だからお前はこの世界で幸せになってくれ……」


 ジョセフは仁に日本に残るよう説得しかけていたサングラスを左手で外しそれを仁に渡した。


 「正直なところ俺は遅かれ早かれ異世界に転移させられた時点でこうなる運命だったのかもしれない……だからこそ仁達を巻き込みたくないしそれで傷ついてほしくない。仁、俺のサングラスをお前にやる。例えこの世界に俺がいなくなってもお前が俺の意志を継いでくれればそこに俺はいる……」


 仁は涙を流しながらサングラスを受け取り涙を拭った後サングラスをかける。


 「侑、俺の書いた異世界日記はもう書き終えてるからそれを小説のネタにしていいぞ。親父、おふくろ、血の繋がりなんてないのに今まで俺を育ててくれてありがとう……」


 ジョセフは自分を育ててくれた義理の両親と義妹の侑に感謝の言葉を述べ終えたと同時に明るい光に包まれ俺の肉体は粒子へと変化し侑達の目の前で飛び散っていった。


 「行っちゃったね、お兄ちゃん……」


 「ああ、このサングラス……大事にするよ」


 侑と仁はそう言いながら呟いていた。


 光り輝く粒子が肉体を形成していきジョセフはフッと一瞬体が浮遊しピタッと白い床へと着地。


 目の前には神様と佐藤夏樹、神様、誠、ジンジャー、テレサ、アイリス、そしてリサがいた。


 「うっ……うぐっ、うぅ……ジョセフ様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


 リサは真っ先にジョセフに飛びつきジョセフはリサをよしよしと小動物の頭を撫でるように宥めリサは再会できたことへの嬉しさから号泣していた。


 「……ただいま、リサ」


 ジョセフはほっこりとした表情でリサに挨拶をすると「おかえりなさい……ジョセフ様……」と涙で充血した瞳で上目遣いをする。


 「それにしてもお前、サングラス外している姿はマジでイケメンだよな……」


 嫉妬深そうな声で佐藤夏樹はジョセフの腕に肘でツンツンと突く。


 「それにしてもマリーはいないのか?」


 マリーがいないことが気になっていたからだ。すると全員が一斉に顔を俯かせ口を噤んでいた。


 「ジョセフ、マリーは…………」


 「佐藤夏樹、マリーは死んだとかいうんじゃないよな?」


 「バカッ!死んでねえよ!」


 佐藤夏樹はしゃがれた声でジョセフの耳元で叫ぶ。


 「それなら何でいないんだよ!」


 ジョセフは耳元で叫ばれた右耳を人差し指で突っ込み大声で佐藤夏樹に尋ねる。


 「マリーは、俺と同化したんだよ……」


 「同化?緑の人みたいにか?」


 「そうだよ」


 緑の人が何なのか分からずにいたリサ、アイリス、ジンジャー、テレサであったが神様と誠は苦笑いをしながらジョセフと佐藤夏樹の会話を横から聞いていた。


 「それよりも神様、一つ頼みがあるけどいい?」


 「頼み?もしかして力が欲しいとかかの?それならすぐにでも授けよ……」


 「一年くらい修行の旅に出たいからどこか遠いところに転移してくれないかな?」


 その言葉にそこにいた全員が驚き声を上げる。


 「ジョセフ様、またいなくなっちゃうんですか?もう私そんなの嫌です!」


 リサは上目遣いで小動物のように瞳をウルウルしながら


 「でとは言っていないぞ」


 「なら、私もついてきていいんですか?」


 リサは瞳を煌びやかに輝かせ俺は小さく頷くとリサの表情から哀しみが消し飛びテンションがかなり上がっていた。


 「てなわけでリサも一緒にいいかな?神様?」


 「それは勿論構わんがお前さんはいいのか?」


 神様は再度俺に確認し頷くと神様は目を瞑り真剣表情へとなった。


 「それではお前さん達二人を遠い場所へと転移するかのう……」


 神様は転移の準備を始め佐藤夏樹がジョセフに刀を渡そうとしていた。


 「ジョセフ!お前の陸奥守吉行だが返し損ねた」


 「……すまないな、ありがとう!」


 ジョセフは佐藤夏樹に感謝の言葉を述べる佐藤夏樹はへっへっへと鼻を指で擦る。


 「それじゃあみんな、また一年後に再開しよう……」


 ジョセフはリサと共に神様にワトソン王国よりも遠い場所へと転移してもらい修行の旅へと出かけることにした。リサを旅の同行を反対しなかったのは今後戦いの中でベルの時よりも過酷で一人では死にかけたりする可能性もあるだろうから回復魔法が得意なリサを一緒に連れて行けば何とかなるだろうと思ったからだ。


 神様は最後に「一年経ったらワトソン王国へと転移させるから安心して修行してくるといい」と言い残しジョセフとリサは新天地へと足を踏み入れる。


 「そう、俺の異世界生活はこれからだ!……って、これ打ち切り漫画でよくあるセリフだった……というか王様に生きている報告してなかったな――」


 「あっ、でもジョセフ様と旅している間にお父様に近況報告していれば大丈夫だと思います」

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