2 スライム
モンスターと聞いて、真っ先に思い浮かぶもののひとつに「スライム」がある。
スライムは、確認した人はいないが世界のあらゆる場所に生息していると言われており、適応進化して住んでいる。そのため派生の種類も多いとされる。
ただし比較的、水分の多いところを好むようである。
複製本の大衆小説、創作の中では、目と口があり可愛い容姿とされることがあるが、実際には目も口も存在しない。
容姿は半透明のゼリー状の軟体動物で、明確にあるのは核だけで、戦闘時などに触手を伸ばすことがある。しかしこの触手は専門の部位があるわけではなく、体の一部が伸びているに過ぎない。そのためいくら触手を切り離しても、また新しく触手を生やして捕食しようとしてくる。
このように剣が効きにくいとされる。そのため倒そうと思うのなら、それなりの技量が必要だろう。弱点は火炎魔法及び核の破壊だ。
ただしスライム核はもちろん魔石のことなので、持ち帰れば小さくてもそれなりの値段で売れる。知っているとは思うが、魔石は魔道具の燃料となるためだ。
多くのスライムは好戦的ではない。初心者でも頑張れば倒せるため初心者向きとされている。
中級以上の多数の冒険者たちは、スライムを無視して活動している。それは酸と単純に数が多いことによる。いちいち相手をしていたら時間がもったいない。
スライムの中には酸、消化液で攻撃してくるものがいる。この酸を酸弾という。一般的な金属製の武器を用いると酸により腐食するので、戦うならば注意を要する。
スライム専門の冒険者などは、専用の武器、木の棒や石槍を装備しているようだ。もちろん魔銀であるミスリル製以上であれば、どうということもない。
モンスター素材の武器の一部も、この酸に強いため使うことができる。
スライムは派生が多いため、名前ははっきりしない。
多くが見た目の色からグリーンスライム、ブルースライムというように呼称されている。
金属のようなスライムが知られており、この種類だけはメタルスライムとして特別視されている。メタルスライムはその全身が錬金術の材料となる。
またメタルスライムは素早く、すぐに逃げてしまうので、討伐するのは難しい。
大きくなったスライムをキングスライムまたはスライムキングと呼ぶ。さらに長生きした特殊個体はヒュージスライムという。ヒュージは単純に大きなという意味だ。
特殊な魔法を使うものも知られていて、そのスキルからヒーリングスライム、ポイズンスライムのようにいう。
翼が生えたエンジェルスライムやヴァンパイアスライムなども伝承では存在している。
大きさは普通サイズで30から50セントメトル。ヒュージスライムともなると最大2メトルぐらいだろうか。
生まれたばかりや小さいものは10セントメトルぐらいだろう。
洞窟や迷宮では、壁や天井にびっしり張り付いていることもある。
また地面にいる場合も、ぴょんぴょん跳ねて跳んでくる場合がある。普段のんびり地面に這いつくばっているのとは対照的に、運動能力は侮れない。
知能はそれほど高くなく、コミュニケーションできるレベルではないというのが定説だ。しかし人化などができるならその限りではない。個体差が激しいか、特殊個体のみ知能がある可能性が高い。
スライムの繁殖、雌雄についてはよくわかっていない。ただし単体のスライムが分裂し、別々のスライムに分かれることがあるのは知られている。
魔物は魔力が溜まると自然発生すると考えられているので、そういう場合もあるだろう。
通常、スライムは単独で生活しているが、たまに大繁殖したり何かの都合で、巨大な群れを作っていることもある。
しかし、群れでも団体行動をとっているわけではなく、ただ群れているだけだ。社会性は一般的にはないとされる。
創作の世界では、ヒュージスライムが分裂して即座に小スライムをたくさん発生させたり、スライムが集合してヒュージスライムに進化したりと分裂合体する。しかし現実でもそのような行動ができるのかは解明されてはいない。
創作では人化するスライムがよく登場するがこちらもよくわかってはいない。
あまり知られていないが、一部のスライムの体はそのままスライムゼリーと呼び食べることができる。
味そのものは無味無臭で、乾燥させた粉末状のものを錬金術で扱うこともある。
スライムの食事は種類によって、生物の死骸、草木、石や鉱物など様々で、たいていは雑食性となっている。
対象物をそのまま体内に取り込み、消化吸収する。
この能力が買われ、下水道や排泄物、ゴミの処理にスライムを活用することが研究されている。
下水道では放し飼いにしたり、ゴミ処理ではテイマーに飼われたスライムが活躍している。
アバマラワーン公爵領マヌワリア平原のマタスニユ湖周辺では、ブルースライムが大繁殖しており、年間を通して群れが見られる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます