乱入&乱入
「へっへっ~ん、遅れてすいません旦那ぁ~。きょうはいい話をもってきたっす」
入ってきたのは二人の男。
一人はもみてで、遅れてきたのも気にせず陽気で調子のいい男三下。
もう一人は、御影に負けずとも劣らず大柄で筋骨隆々、顔面凶器といっていいぐらい厳つい顔立ちで、額から口にかけ大きな傷後も拍車がかかっている。服装は大きな学ランにさらしと靴は下駄と番長スタイルだ。
「紹介するっす。こちらが昔お世話になった兄貴的存在の番場豪さんっす。兄貴、こっちが御影の旦那っす」
「おう、番場豪だ。よろしくな」
「御影友道だ」
御影は話の状況がわからず、警戒しつつも握手を交わす。
「ほう、なかなかやるな」
「そちらこそ」
最初の力比べを終え、二人とも涼しい顔で、何事もなかったかのように豪は本題に入る。
「おらぁ、遠回しや策略が大の苦手だから単刀直入言う。俺の傘下に入れ。悪いようにはしねぇ」
「兄貴はA級ランクの大将で、いい話だと思うっす」
誰かの息をのむ声が聞こえた。
クラブメンバー達は遅かれ早かれ、御影を取り込もうと勧誘はあるだろうと思っていた。
隔絶した強さと、誰も知らない魔法や未知のことを知っている男。
どこも欲しいのは当然だ。
ただ、今は水面下で牽制しあっている段階で抜け駆けは禁止のはずだった。
当然クラブ派でも通達されているはずだった。
事実豪のクラブにも通達はあったが、それを無視して強行にでた。
ここにいる奴らを口止めすればいいと思ってた。
『今日』先生がいるのは驚少々計算外たが、構いはしない、くるものはぶっ潰せばいい。
豪はメンチを効かせ周りを牽制する。
怖がっているのは風花と新人二人くらいで、プゥが風花を守る位置にたち。種次はさりげなく新人の近くでなにがあってもいいように、前にたつ。
カティナと美夜は好戦的な視線で、舞先生は良いことがあったように実に楽しそうな表情だ。
「悪いが誰の下にも入らない」
「今日は顔見せだ。夜道には気ぃつけろ、それと『周りの人間』にもな。行くぞぉ三下」
「へい兄貴、へっへっへっ、おれっちは兄貴のクラブに入ったっす、あばよぉ~」
意味深なことを言い、今日で決まるとは思ってなかったのか、揉めることなく、潔く三下と豪は帰って行った。
「御影も分かっていたのだろう、ああいう輩が来ることは」
「そうですね、くるとは思っていましたが、予想してたより少し早かったですね」
「それは私も思っていたぞ。しかし『会議』でつつける話題ができたぞ。礼を言うぞ御影」
「ありがとうと言っていいんですかね」
苦笑しながら御影はそう言い、先ほどの言葉を考える。
周りの人間か。
言われるまでもなく心当たりがありすぎるが、第三者から言われると、アクション待ちだったがそろそろどうにかしなければとな。
とりあえず一つ一つ片づけていくか。
誰も三下の心配などしておらず、訓練を再開する。
やっかい事は向こうからやってくる。えてして、くるときは、いっぺんにくる。今日来た『部外者』はこれで終わらなかった。
今日の訓練が終わり、みんな帰ろうとしたとき、部外者はやってきた。
御影にとって厄介事しかもってこない人物だった。
そう、御影の雇い主、フェリスだ。
剛我とジュリを伴って小憎たらしい笑顔で。
正直厄介毎のにおいしかないが、とりあえずクラブの面々を帰し、フェリスと対峙する。
「ダンジョンに行く日ではないと思うが、今日はどうした?」
「ふん、みすぼらしい所なの、でもあなたにはお似合いなの」
クラブの面々を帰して正解だったと御影は思った。
いたら絶対に揉めてたと思う。
「そんな事を言いにきたのか」
「馬鹿じゃないの、そんな暇ないの。本来下僕のあなたが来るのが当たり前なのに、わざわざ来てやったの。泣いて喜び許しをこうべきなの。まぁ今日は機嫌がいいから許してやるの。今日来た用件を言うの」
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