バベルの後

 かつて人々は集い、天を衝かんと巨大な塔を作り始めました。神はそれに憤り、人々の言葉を乱しました。

 その後、神は幾人かの人間に、人々を教え導けるように啓示を与えました。どの者も敬虔でしたが、神の教えが果たされることは、ついぞありませんでした。

 同じ教え、同じ導きの基に争う人々を、神は遂に見放してしまいました。敬虔な人間同士が、争い殺しあう様は、人間の粗暴さを示しているようでした。

 ですが、神は失念していました。人々は、同じ教えを同じ様には理解できないのです。

 言葉は乱れているのですから。


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