第165話 手と手


消えてしまいそうな影を

せめて繋ぎ止めたくて

すり抜けていく手をつかんで

こちら側へと引き上げてみても

その心がどこにあるのか

まったく何も見えてこなくて

意味のないことなのかと

無様に泣きたくもなるよ

それでもいつかこの温度だけは

繋いだ手と手のぬくもりだけは

きっと伝わると信じてるから

今この手に力を込めた

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