第145話 午前4時


午前4時

辺りは夜明けの予感に満ちている

静けさに響く時計の音

一秒ずつ震える空気


目を開けて見えるのは

ぼんやりとした豆電球

それ以外に灯りはなく

ただ広がるのは淡い闇

その薄暗がりに手を伸ばす


差し出す手を

掴みたいのか

掴まれたいのか

必死に伸ばす指先は

哀しいくらい無意識で


抜け出したい

抜け出せない

抜け出したくない

分からない


何も分からない


気だるい脳に響く時計の音

濃密な夜が今終わろうとしている

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