第17話 雨と灰色

降り始めた雨は

徐々に勢いを増し

街を灰色に染めた

その中にいる僕も

冷たいしぶきを浴びて

灰色の欠片となった


灰色の街を歩く僕は

もうそれしか見えなくなって

歩く速度をあげた

水を含んだ靴音

濡れた前髪をはらって

灰色の道を進んだ


冷えきった体を

さらに灰色が包む

何もかもが静かで

雨の音しか聞こえなくて

そして僕はどんどん

深い灰色になった


深緑の山肌から

淡く霧が立ち上る

それを見て僕は

雨が上がったのを知る

体を覆う灰色はやがて

音もなく白へと溶けた









 

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