第15話 夕暮れ



薄オレンジの余韻を残し

今日が静かに終わりを告げる

賑やかな街のざわめきも

密やかに闇に溶けていく


いつもと変わらぬ帰り道

進めていた足を止め

暮れていく日を見送る

足下はどこか心許なくて

得体の知れない焦りが

不意に心を埋め尽くす


この日に何を残せたのだろう

時はもう取り戻せないのに


いつも通りの空っぽの日

足跡すらそこにはなくて

自分という存在がまるで

透明に透けていくみたい


迫り来る夜に何を思えばいい?

無力さに泣くこともできず

答えを知りたくて伸ばした手に

少し冷えた風が掠めた

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